内山岩太郎

内山 岩太郎 (うちやま いわたろう)

概要

内山岩太郎は、1890年に群馬県前橋市に生まれ、1971年に横浜市で亡くなった、日本を代表する外交官、政治家、実業家です。彼は神奈川県知事を5期務めたほか、テレビ神奈川の初代社長を担い、日本の国際連合加入にも多大な貢献を果たしました。特に内山は、フィリピンとの交渉を通じて日本の国連加盟を推進した実績が知られています。彼の家族には、丸紅ブラジル会社の副社長を務めた内山勇がいます。

経歴

内山は1902年に群馬県立前橋中学校に入学し、1907年には東京外語学校に進学しました。1912年に外務省に入省し、スペイン公使館での勤務を経て、外交官としてキャリアをスタートさせました。以降、チリ、サンパウロ、リオデジャネイロなどで要職を歴任し、1926年にはジュネーブ公使館の二等書記官として国際労働会議に日本政府の代表顧問として参加しました。1937年にはアルゼンチン公使に就任し、1943年に外務省を退官しました。

1946年、内山は官選の神奈川県知事に就任し、その後1947年には初の公選知事として再選されました。在任期間は20年に及びましたが、この間に彼は数多くの文化事業を推進し、1951年には神奈川県立近代美術館を、1954年には神奈川県立図書館・音楽堂の開館を実現しました。

国連加盟をめぐって

日本が第二次世界大戦後に国際連合へ加盟する際、内山はフィリピンとの交渉を担当しました。フィリピンは安全保障理事会の非常任理事国であり、日本の加盟に対する大きな障壁でした。内山は日本軍によるマニラの歴史的寺院の復興を条件にした提案を行い、フィリピン側の譲歩を引き出すことに成功しました。復興事業は彼の手で行われ、1958年までに完成させました。

人物像

内山はスペイン語に堪能で、文化活動の復興にも尽力しました。また、彼は相模湖の名づけ親でもあり、1950年代にはアジア諸国との関係改善に向けた運動を先導しました。カトリック信者でもあり、戦後の文化と経済の両側面から神奈川県の発展に寄与しました。

栄典と業績

内山は1940年に紀元2600年祝典記念章を受章し、1966年には勲一等瑞宝章を受賞しました。著書も多く、『亜爾然丁の最近経済事情並に日亜貿易に就て』や『アメリカの表情 米国の自治制度視察記』などがあります。また、彼の業績を讃えるため、1975年に神奈川区に立像が建立されましたが、地震の危険性から2012年に撤去され、代替として胸像が設置されました。

まとめ

内山岩太郎は、日本の近代史において重要な役割を果たした人物であり、その功績は今も多くの人々に評価されています。彼の外交的手腕や文化活動への取り組みは、神奈川県、直接的には日本全体の成長に寄与しました。彼の生涯は、幅広い分野での努力と貢献の象徴とも言えるでしょう。

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