内燃力発電

内燃力発電とは

内燃力発電は、燃料を燃焼させて得られる熱エネルギーを、内燃機関を用いて運動エネルギー（回転運動）に変換し、それを利用して発電を行う火力発電の一種です。この方式の大きな特徴は、短時間で発電を開始できる即応性にあります。

内燃機関の種類

内燃力発電は、使用する内燃機関の種類によって、いくつかの方式に分類できます。

ガスタービンエンジン: 主に大規模な工場などで、熱と電気を同時に供給するコージェネレーションシステムとして利用されます。
レシプロエンジン（往復動機関）:
火花点火機関（ガスエンジンなど）: 都市部のビルにおけるコージェネレーションシステムのほか、小型汎用エンジンと組み合わせて、個人でも購入可能な可搬式発電機（発動発電機）として広く普及しています。
圧縮着火機関（ディーゼルエンジンなど）: 非常用電源や電源車、離島などの小規模火力発電所などで利用されます。ガソリンエンジンに比べて重量は大きいものの、可搬式や車輪付きの移動式発電機も存在し、夜間工事の照明や電気溶接などに利用されています。

外燃機関との比較

内燃機関を使用する内燃力発電に対して、外燃機関を利用する発電方式としては、汽力発電や海洋温度差発電、冷熱発電などが挙げられます。また、ガスタービンエンジン（内燃機関）と汽力発電（外燃機関）を組み合わせたコンバインドサイクル発電も存在します。

関連技術

内燃力発電に関連する技術としては、以下のようなものが挙げられます。

熱力学サイクル: 熱エネルギーを効率的に運動エネルギーに変換するための理論。
パワーバージ: 発電設備を搭載したバージ船。
ターボ・エレクトリック方式 / ディーゼル・エレクトリック方式: エンジンの動力を電気エネルギーに変換して利用する方式。

資格

内燃力発電設備の運転や保守には、専門的な知識や技術が求められるため、関連する資格として、可搬形発電設備専門技術者や自家用発電設備専門技術者などがあります。

まとめ

内燃力発電は、その即応性と多様な利用形態から、現代社会において重要な役割を果たしています。非常用電源から大規模なコージェネレーションシステムまで、幅広いニーズに対応できる柔軟性が、内燃力発電の強みと言えるでしょう。

外部リンク

世界大百科事典 第２版『内燃力発電』 - コトバンク
日本大百科全書]『エンジン[発電機』 - コトバンク
一般社団法人 日本内燃力発電設備協会
内燃力発電｜電気工学用語集｜電気工学を学ぶ｜パワーアカデミー
Electrical Safety and Generators（英語）|Natural Disasters and Severe Weather

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