内田弘

内田 弘について

内田 弘（うちだ ひろし、生年：1939年2月11日）は、専修大学の名誉教授として知られる日本の経済学者・思想史学者です。彼の専門領域は、カール・マルクスの『資本論』の形成史や自由時間に関する研究、また三木清に関する考察です。内田は日本の経済学界における一線を画する存在であり、その活動は多岐にわたります。

経歴と背景

群馬県で日本国有鉄道の職員の子として誕生し、幼少期は満州と栃木県で育ちました。1962年に横浜国立大学経済学部を卒業し、その後長洲一二に師事しました。彼は高等学校の教諭として教壇に立ちながら、長洲の『現代の理論』誌に論文を発表し、経済学の研究を続けました。

その後、専修大学経済学部に講師、助教授を経て教授に就任し、2009年に定年を迎え、その際に名誉教授の称号を授与されました。また、1991年には『経済学批判要綱』の研究により専修大学から経済学博士の学位を取得しました。

内田には同姓同名の別の内田弘も存在し、彼は「北海道アララギ」という歌人であり、石川啄木に関する著作を書いているため、時折混同されることがあります。

主要な著書

内田弘は数多くの著作を残しています。以下は彼の主な著作です：

• - 『資本論』と現代（1970年） - 三一新書
• - 危機の文明と日本マルクス主義（1974年） - 田畑書店
• - 『経済学批判要綱』の研究（1982年） - 新評論（後に御茶の水書房から再版）
• - 中期マルクスの経済学批判 『要綱』とヘーゲル『論理学』（1985年） - 有斐閣
• - 自由時間 真の〈豊かさ〉を求めて（1993年） - 有斐閣
• - 三木清 個性者の構想力（2004年） - 御茶の水書房
• - 啄木と秋瑾 啄木歌誕生の真実（2010年） - 社会評論社
• - 『資本論』のシンメトリー（2015年） - 社会評論社

編纂と翻訳

また、内田は編纂や翻訳も手がけています。彼の編纂した作品には次のものがあります：

• - 『三木清エッセンス』（2000年） - こぶし文庫
• - 『三木清東亜協同体論集』（2007年） - こぶし文庫

翻訳においては、次のような著作を訳しています：

• - A.コルニュの『マルクスの思想的原像』（1970年） - 社会評論社
• - テレル・カーヴァーの『エンゲルス』（1989年） - 杉原四郎との共訳
• - テレル・カーヴァーの『マルクスとエンゲルスの知的関係』（1996年） - 世界書院

まとめ

内田弘の研究と著作は、特に日本の経済学および思想史における重要な資源となっています。その功績を通じて、彼は学界において大きな影響を与え、多くの後進に刺激を与え続けています。

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