内田敏雄

内田敏雄：昭和期の政治家と華族の生涯

内田敏雄（1900年〈明治33年〉11月1日 - 没年不詳）は、昭和時代の日本の政治家であり、華族として貴族院議員を務めた人物です。正四位に叙せられました。

内田の出自は、海軍士官であった内田正敏の養子、栄（矢部善作の次男）の長男という華族の子弟でした。1922年（大正11年）、養曽父である正敏の死去に伴い、21歳の若さで男爵位を襲爵します。このことは、彼の後の経歴に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

学業では、1926年（大正15年）に京都帝国大学法学部政治経済学科を卒業。その後、官僚として東京市社会局嘱託に就任し、官僚としてのキャリアをスタートさせました。その後、南洋拓殖株式会社で人事課長、参事などの要職を歴任し、企業経営にも携わった経験を持ちます。これらの経験は、彼の政治活動にも役立ったと考えられます。

彼の政治家としての活動は、1946年（昭和21年）5月11日に貴族院男爵議員の補欠選挙で当選したことから始まりました。公正会に所属し、貴族院が廃止される1947年（昭和22年）5月2日まで議員として活動しました。貴族院は、華族や皇族などによって構成される、特権階級の代表機関でした。貴族院議員としての活動を通して、内田は貴族院の維持や改革、さらには国家政策に携わったものと考えられます。貴族院廃止後については、資料が少なく不明な点が多いですが、その後の活動は、これまでの経験を活かし、社会に貢献した可能性が高いでしょう。

内田の私生活では、時国甫太郎の六女である敏子と結婚しました。内田の没年は不明な点であり、今後の研究によって、より詳細な情報が明らかになる可能性があります。

内田敏雄の生涯を振り返ると、華族としての特権的な立場と、官僚・企業経営者・政治家としての経験を背景に、昭和初期の日本社会に貢献した人物であることが分かります。彼の活動は、当時の社会情勢や政治制度を理解する上で重要な要素であり、今後の研究によって、その詳細な功績や影響がさらに明らかになることが期待されます。

参考文献

人事興信所編『人事興信録 第14版 上』人事興信所、1943年
『貴族院要覧（丙）』昭和21年12月増訂、貴族院事務局、1947年
衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年
霞会館華族家系大成編輯委員会『平成新修旧華族家系大成 上巻』霞会館、1996年

もう一度検索