内田正信

内田正信：江戸時代前期の武将とその生涯

内田正信は、江戸時代前期を代表する旗本、そして大名として知られています。下総国小見川藩の初代藩主、そしてその後下野国鹿沼藩の初代藩主を務めた人物です。その生涯は、徳川家光への忠誠と、壮絶な最期によって彩られています。

幼少期と家光への仕え

慶長18年（1613年）、正信は800石の御納戸頭であった内田正世の次男として誕生しました。幼少期から優れた資質を見せ、寛永7年（1630年）から徳川家光に仕え始めます。その忠誠心は高く評価され、寛永12年（1635年）には奥小姓、翌年には御手水番という要職に任命されました。さらに寛永14年（1637年）には相模国内で1000石を加増されるなど、着実に家光からの信頼を得ていきます。寛永15年（1638年）には叙任を果たし、その地位は盤石なものとなりました。

小見川藩主、そして鹿沼藩主へ

寛永16年（1639年）、正信は下総名取郡や常陸鹿島郡などで8200石を加増され、合計1万石の大名となりました。これにより、小見川藩の初代藩主として、藩の統治を担うことになります。同時に、御小姓組番頭にも任じられ、家光への近侍を続けます。しかし、正信の活躍はここで終わりませんでした。慶安2年（1649年）、下野国内で5000石を加増され、鹿沼藩主へと転封。さらに、御側出頭という要職に就き、家光への献身はさらに深まりました。

家光への殉死

慶安4年（1651年）、家光の死去という衝撃的な出来事が起こります。正信は、主君への深い忠誠心から、家光に殉じるという決断をします。享年39歳という若さで、その生涯に幕を閉じました。正信の死は、家光への揺るぎない忠誠心を示すものとして、後世に語り継がれることとなります。跡を継いだのは、正信の次男、正衆でした。

系譜

正信の系譜を見ると、その出自の高貴さと、家系における地位の確立が分かります。父は内田正世、母は小川三益の娘です。正室は酒井直次の養女でした。正信には、内田新五郎（長男）、内田正衆（次男）、そして娘がいました。正衆は、正信の死後、鹿沼藩を継承しました。

歴史的評価

内田正信は、家光への忠誠心と、その卓越した能力によって、短期間ながらも華々しい経歴を築き上げました。小見川藩、鹿沼藩の初代藩主としての役割、そして家光への献身は、彼を江戸時代前期を代表する武将の一人として位置付けています。その生涯は、忠義と武勇を体現した、まさに時代を彩る人物像として、歴史に刻まれています。

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