内藤信照

内藤信照（ないとう のぶてる）

内藤信照は、江戸時代前期に活躍した譜代大名であり、陸奥国棚倉藩の初代藩主です。1592年、内藤信正の子として伊豆国韮山で生まれました。幼少期は病弱であったため、弟の信武が後継者とされていましたが、1619年に信武が夭折したため、再び後継者となりました。1621年には従五位下・豊前守に任じられ、1626年に家督を継承しました。

1627年、内藤信照は陸奥国白川・菊多、および常陸国多賀の3郡に移封され、棚倉城を居所としました。当時の領地は5万90石とされています。棚倉藩主として、信照は藩政の基礎を固めるために尽力しました。1647年には大規模な検地を実施し、藩の財政基盤を強化しました。また、1629年に発生した紫衣事件で配流となった玉室宗珀の身柄を預かり、保護したことでも知られています。

信照は藩主としての活動の傍ら、1649年から1652年まで大坂城代も務め、その行政手腕を発揮しました。1665年1月19日、74歳で亡くなり、その跡は長男の信良が継ぎました。当初、葬地は棚倉町の光徳寺でしたが、後に小石川無量院（廃寺）に改葬されたと伝えられています。現在、墓所は新潟県村上市の光徳寺にあります。

系譜

内藤信照には、4男2女の子どもがいました。そのうち1人は養女です。

父：内藤信正
母：石川康通の娘
正室：阿部正次の娘

子女
内藤信良（長男）：生母は正室
内藤主膳（次男）
内藤信全（三男）
内藤亀松（四男）
家臣鳥居和俊室
養女：堀利長正室 - 内藤信武の娘

参考文献

『新訂寛政重修諸家譜』13巻 続群書類従完成会、1984年
『寛文朱印留』上巻 東京大学出版会、1980年
『棚倉町史 1』福島県棚倉町、1982年
辻善之助『日本仏教史』8巻 岩波書店、1961年

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