内藤典彦

内藤典彦：多彩な才能を放つ俳優、映画監督

内藤典彦(ないとうのりひこ)は、1967年3月3日生まれの日本の俳優である。東京都調布市出身。1983年、NHK大河ドラマ『徳川家康』で俳優デビューを果たす。その後、映画『パンツの穴 花柄畑でインプット』(1985年)など、数々の映画やドラマに出演し、幅広い役柄を演じている。

内藤典彦の演技は多様性に富んでいる。知的な役柄からコミカルな役柄まで、その表現力は高く評価されている。特に、一癖も二癖もある個性的なキャラクターを演じることが多く、視聴者には強い印象を与えている。理数系のインテリからダメ男まで、実に幅広い役柄を見事に演じ分けている点が彼の大きな魅力の一つと言えるだろう。

俳優としての活動以外にも、内藤典彦は監督、脚本家、プロデューサーとしても活躍している。低予算ながらも、自ら監督を務めた映画作品を製作・上映するなど、クリエイティブな才能も存分に発揮している。近年増加している「俳優が監督業に挑戦する」という流れとは異なり、内藤典彦は俳優業を一時休業するほど、裏方スタッフとして現場で経験を積み重ねた。そのため、俳優やスタッフからの信頼も厚く、現場での円滑な連携を築き上げていることが伺える。

音楽にも造詣が深く、アカペラパフォーマンスも特技の一つ。かつてはトリオ「GO-JAP」のメンバーとして活動し、ギャグパフォーマンスでも人気を博した。趣味は風景鑑賞、ウォーキング、ダーツと多岐にわたる。元アイドル歌手、島田奈美とはデビュー当時からの親交があり、ジャズライターとして活躍する島田の影響から、自身もジャズを好むようになったというエピソードもある。

内藤典彦の経歴は非常に興味深い。12歳から声楽家の渡瀬昌治に師事し、声楽を学び、合唱団に所属。作曲家の池辺晋一郎やボニージャックスらと共に音楽番組に出演したり、コンサート活動、音楽アルバム制作にも参加した。NHKとTBSの全国音楽コンクールでは全国1位を受賞するなど、音楽活動においても高い実績を残している。15歳で俳優に転身し、養成所時代から映画・テレビドラマを中心に活躍するなど、幼少期からの才能が開花したと言えるだろう。

テレビ朝日「欽ちゃんのどこまでやるの」のオーディションで萩本欽一の目に留まり、渡辺プロダクションに移籍。同期には中山秀征や石塚英彦らがいた。その後、マスコミ活動を一時休業し、女優・范文雀の付き人やスタッフとして裏方を経験。さらに、ドラマプロデューサーの下で脚本執筆を学び、フジテレビ「世にも奇妙な物語」、テレビ朝日「HAPPY SALVAGE」などの脚本を執筆した。俳優活動を再開後はマスコミから距離を置き、小劇場舞台へ活動の場を移す時期もあった。1997年、日本テレビ「恋のバカンス」でマスコミに復帰し、現在の所属事務所である株式会社エム・アールに移籍する。

2001年には、映画製作のため映像組織「デジタルメディア・トップロード」を主宰。仲間と共に作品を製作上映し、地上波TV番組の企画プロデュースや監督なども行う。2005年には、総合動画配信サイト「naito.TV」を開始。YouTubeやニコニコ動画が存在しない時代において、個人で動画サイトを立ち上げて配信を行ったのは、国内でも先駆的な取り組みと言える。

出演作品はテレビドラマ、映画、舞台、ラジオと多岐に渡り、その活動は実に多様性に富んでいる。代表的な出演作品としては、『徳川家康』、『毎度おさわがせします』、『ケイゾク』、『舞妓Haaaan!!!』、『252 生存者あり』などがある。近年も精力的に活動を続け、数々の作品に出演している。

内藤典彦は、俳優としての枠にとらわれず、監督、脚本家、プロデューサー、さらには出版プロデューサーや俳優育成プロデューサーとして、多方面で活躍している。まさにマルチな才能を持つ稀有な存在と言えるだろう。彼の今後の活躍にも期待したい。

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