内藤利紀

内藤利紀は、1910年3月18日に福島県で生まれ、1983年4月10日に生涯を閉じました。日本の政治家として、特に東京都保谷市（現在の西東京市）の発展に大きく貢献した人物です。1934年に日本大学法文学部法律科を卒業後、逓信省に入省し、簡易保険局書記としてキャリアをスタートさせました。

政治の世界へ足を踏み入れたのは1951年、保谷町議会議員に当選したことがきっかけです。その後、保谷町が市制を施行したことに伴い、保谷市議会議員となりました。そして1969年、内藤は保谷市長に選出され、2期にわたり市政を担いました。

市長としての内藤は、教育、福祉、都市計画、環境整備といった幅広い分野でその手腕を発揮しました。具体的には、小学校や保育園、児童館の建設を積極的に進め、次世代を担う子供たちのための教育環境の充実に努めました。また、休日診療所を開設することで、市民が安心して医療を受けられる体制を整えました。

都市計画においては、市街化区域及び市街化調整区域を決定し、無秩序な都市開発を抑制し、計画的な都市形成を推進しました。また、市のシンボルとして、市の木を「ケヤキ」、市の花を「サザンカ」に決定し、市民の郷土愛を育みました。1977年に市長を退任するまでの間、教育、福祉施設の拡充、都市計画、環境整備に尽力し、保谷市の発展に大きく貢献しました。

内藤の功績は高く評価され、没後、正六位に叙されました。また、勲五等双光旭日章も受章しています。

内藤利紀は、その生涯を通じて、地方自治の発展と住民福祉の向上に尽くした人物として、後世に語り継がれるべき存在です。

参考文献

歴代知事編纂会編『日本の歴代市長』第1巻、歴代知事編纂会、1983年。
『全国歴代知事・市長総覧』日外アソシエーツ、2022年。

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