内藤幸三

内藤 幸三（ないとう こうぞう）

内藤幸三は、1916年3月25日に三重県で生まれ、日本プロ野球界における転機となった選手のひとりです。彼はプロ野球の初期において本格派左腕投手として名を馳せ、後に審判にも転向しました。彼の生涯を振り返ると、その道のりは実に興味深く、数々の栄光と挑戦に満ちています。

来歴・人物

内藤は宇治山田市立明倫小学校に通い、当時の同級生である沢村栄治と共に野球を学びました。その後、北海道立小樽商業学校と東京市立商業学校に進学した際も、彼は投手としての道を選びました。しかし、硬球を握ることはなかったため、卒業後は軟式社会人クラブ「東京リーガル倶楽部」に所属し、そこでの活躍を果たしました。

特に1934年と1935年には全国社会人軟式野球大会にて連覇を果たし、その名を知られるようになります。特記すべきは、1935年の東京予選で37イニングを投げて98奪三振を記録し、決勝戦では26奪三振を達成する完全試合を成し遂げたことです。

その後、日本全体でプロ野球球団設立の動きが高まる中、内藤は名古屋金鯱軍の設立にかかわり、硬球を初めて握ります。1936年秋シーズンには、139奪三振という驚異的な数字を記録し、記念すべき初代奪三振王に輝きました。その後の兵役を経て、1939年からは本格的にエースとして活躍を始めましたが、1941年シーズン直前にチームが合併し、大洋軍へ移籍します。

その後も内藤のキャリアは続き、1944年まで朝日軍でプレーし、戦後は新たに設立されたゴールドスター（現在の金星スターズ）のエースとしてチームを牽引しました。しかし、永田雅一率いる大映に買収されたことを機に、阪急ブレーブスへ移籍しました。1949年には広島カープに加入し、初の開幕投手や球団勝利第1号投手としての名誉を得るものの、度重なる移籍が彼の体を蝕んでいました。そのため、1951年には現役を引退することになります。

引退後は1954年にセントラル・リーグの審判部に所属し、審判としての新たなキャリアをスタートさせました。東京審判部に所属し、1966年まで職務を全うしました。内藤はその後、2002年1月31日に86歳で脳梗塞により逝去しました。彼の功績は今日でも多くの野球ファンに語り継がれています。

投手としての成績と記録

内藤幸三の投手としての球種は、ドロップボールとスローカーブが主でした。その技巧は後の選手たちにも影響を与え、尊敬され続けています。彼の記録には興味深いものがあり、特に1946年には1イニングで12失点を记录し、これはプロ野球記録として残っています。また、彼は1936年秋に最多奪三振に輝いたものの、当時は連盟からの正式な表彰は受けていませんでした。

内藤幸三の背番号は、1936年が14、1940年と1950年から1951年が15、1941年から1943年が19、1946年から1947年が2、1948年が17、1949年が12など、多岐にわたり変遷しました。特に1944年には背番号が廃止されるという事態も経験しています。

まとめ

内藤幸三の生涯は、選手としてのパフォーマンスだけでなく、野球界への貢献においても重要なものでした。彼の努力と才能は、多くのファンや後進の選手たちに影響を与え続けています。内藤の業績は日本のプロ野球史においても特筆すべきものであり、彼の名前は人々の記憶に永遠に刻まれることでしょう。

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