内藤雅雄

内藤雅雄について

内藤 雅雄（ないとう まさお）は、1940年12月24日に福井県武生市で生まれた日本のインド史学者です。彼は東京外国語大学でインド・パーキスタン語科を卒業し、その後、東京大学大学院で印度哲学の修士課程を修了しました。1969年には東京外国語大学のアジア・アフリカ言語文化研究所に助手として就職し、後に助教授、教授となり、2002年に定年退官後は名誉教授となりました。さらに、専修大学文学部でも教授職を務め、2011年に退職しています。

学問的業績

内藤氏の研究は、インドの歴史と文化に特化しており、特にカースト制度やインドの社会運動、文化的なテーマに取り組んできました。彼の著作には、1947年のインディペンデンス以降のインドに関する洞察が豊富に含まれています。

主な著書

• - 『ガンディーをめぐる青年群像』（三省堂、1987年） では、インド独立運動の父であるマハトマ・ガンディーを取り巻く若者たちの姿を描き、その影響を考察しています。また、彼の学問的な視点がどのようにして活動に反映されるかを探求しています。
• - 『叢書カースト制度と被差別民 第3巻 解放の思想と運動』（明石書店、1994年） は、カースト制度の歴史とその影響について詳述しており、インドにおけるラスト・ツィリに対する理解を深める一助となる作品です。
• - 『移民から市民へ 世界のインド系コミュニティ』（東京大学出版会、2000年） は、インド系の移民コミュニティに焦点を当て、彼らの文化や社会の形成過程を取り上げています。これにより、インド系コミュニティの多様性とその一体感を探ることができるでしょう。

共著・編著

内藤氏は、他の学者との共著や編著も数多く行っており、その中で

• - 『現代インドの展望』（岩波書店、1998年） では、インドの現状について多角的に考察しています。
• - 『南アジアの歴史 複合的社会の歴史と文化』（有斐閣アルマ、2006年） では、南アジア地域の複雑な社会構造や文化を俯瞰し、地域の歴史的重要性を強調しています。

翻訳業績

また、内藤氏は翻訳者としても活躍しており、特にインドの歴史や文化に関する外国文献を日本語に訳しています。例えば、

• - J.P.ヘイスコックス『インドの共産主義と民族主義 M.N.ローイとコミンテルン』（岩波現代選書、1986年）　や、
• - ゴーダーワリー・パルレーカル『インド先住民解放の道』（明石書店、1997年）などが挙げられます。

結論

内藤雅雄は、インドに関する深い知識と広範な研究を特徴とする学者であり、彼の業績は、日本におけるインド理解の深化に大きな貢献をしています。

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