円照院

円照院：激動の時代を生きた女性

円照院（えんしょういん）は、慶長2年（1597年）に生まれ、寛永20年（1643年）に47歳で亡くなった女性です。彼女は、安土桃山時代から江戸時代前期という激動の時代を生きました。姫路藩主・本多忠政の次女として生まれ、母は徳川家康の孫にあたる熊姫です。実名は亀姫（かめひめ）といいました。

徳川家康の養女として

円照院は、曽祖父にあたる徳川家康の養女となります。その後、母方の従兄で家康の曾孫にあたる小笠原忠脩に嫁ぎました。しかし、元和元年（1615年）の大坂夏の陣で忠脩が戦死するという悲劇に見舞われます。

再婚、そして新たな人生

夫の死後、円照院は家康の命により、元和2年（1616年）に忠脩の同母弟である小笠原忠真に再嫁しました。彼女は二人の夫との間に多くの子をもうけました。

忠脩との子

繁姫：蜂須賀忠英の正室となりました。
小笠原長次：中津藩の初代藩主となりました。

忠真との子

小笠原長安：小倉藩の世継ぎとなりました。
市松姫：黒田光之の正室となりました。
小笠原長宣：小倉藩の世継ぎとなりました。
嘉禰：松平頼元の正室となりました。
娘（名前不詳）：夭折しました。

円照院の死とその後

寛永20年（1643年）、円照院は47歳でその生涯を閉じました。彼女は浅草海禅寺に葬られ、法名は円照院華陽宗月大姉と名付けられました。

円照院の生涯は、激動の時代を生き抜いた女性の姿を今に伝えています。彼女は、徳川家康の養女として、二度の結婚を経て、多くの子を育て上げました。その生涯は、まさに波瀾万丈という言葉がふさわしいでしょう。

参考資料

幕府祚胤伝（『徳川諸家系譜』第2巻）続群書所類聚刊行会
寛政重修諸家譜
徳川・松平一族の事典

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