円融寺 (秩父市)

円融寺（えんゆうじ）

埼玉県秩父市にある円融寺は、臨済宗建長寺派に属する寺院です。この寺の山号は万松山と称され、深い歴史と文化を有しております。本尊である真言は「おん あろりきゃ そわか」と唱えられ、ご詠歌には「尋ね入り結ぶ清水の岩井堂 心の垢をすすがぬはなし」があります。円融寺には多くの訪問者があり、信仰の対象であると同時に、観光名所としても親しまれています。

歴史

円融寺の創建年代については正確にはわかっていませんが、畠山重能が開基とされることから、平安時代後期に建立されたと考えられています。この寺院は、歴史的背景を持つだけでなく、地域の信仰や文化にも根ざした場所です。特に注目すべきは、円融寺の奥の院「岩井堂」です。この奥の院は本堂から約500メートル南南東に位置しており、通常の道を通って直接行くことはできません。一度本堂を出て、レゾナック秩父事業所の敷地を経由する必要があります。これにより、訪れる者にとっては特別な体験が待っています。

文化財

円融寺には、埼玉県指定の有形文化財がいくつか存在します。中でも、石燕の納額や景清のろう破りは昭和35年3月1日に指定され、歴史的な価値が認められています。また、札所26番に位置する勝軍地蔵菩薩立像は、秩父市の指定有形文化財として昭和33年7月9日に認定されました。これらの文化財は、円融寺の歴史を物語る重要な存在であり、多くの観光客や信者に見学されています。さらに、札所26番の岩井堂も秩父市指定史跡として昭和40年1月25日に指定されています。

アクセス

円融寺へのアクセスは非常に便利です。影森駅からは徒歩約8分の距離に位置しており、周辺の徒歩移動も容易です。また、二十五番札所の久昌寺からは徒歩で約50分の距離にあります。さらに、台地を超えるルートもあるため、町を巡る楽しみがあります。

前後の札所

円融寺は秩父札所の一部として位置づけられており、前後には以下の寺院があります。25番の久昌寺から約3.8キロメートル、27番の大渕寺までは約1.4キロメートルです。これらの寺院を巡ることで、歴史的な道を体感できるだけでなく、心を落ち着けることができるでしょう。

参考文献

円融寺についての詳細な情報は、敏蔭英三の写真と秋山喜久夫の文を含む『写真紀行 埼玉の寺 Ⅱ』（埼玉新聞社、1981年）や、「下影森村 圓融寺」として収録された『新編武蔵風土記稿』（内務省地理局、1884年6月）からも得られます。

外部リンク

• - 26番 円融寺 - 秩父札所 - 秩父札所連合会

もう一度検索