冠山峠道路

冠山峠道路の概要

冠山峠道路（かんむりやまとうげどうろ）は、岐阜県揖斐川町の塚奥山から福井県池田町田代にかけて延びる国道417号の一部であり、全長は7.8 kmです。この道路は、2023年11月19日に開通し、両県の交通利便性を大幅に向上させました。

道路開通までの経緯

2023年4月の時点で、国道417号のこの区間は約7.6 kmが通行不能でありました。代替として利用されていた林道は、幅員が狭く急カーブや急勾配が多いため、大型車両の通行が難しく、冬季や土砂災害時には通行止めが頻繁に発生していました。これにより、年間の通行止め日数は170日を超えることもありました。

そのため、国土交通省は冠山トンネル（仮称・冠山峠2号トンネル）と塚宮ケ原トンネル（仮称・冠山峠1号トンネル）を建設し、福井側の河内田代バイパスや岐阜側の徳山バイパスに接続させる計画を立てました。事業化は2003年に行われましたが、認可までには時間がかかりました。最終的にトンネルの掘削は2014年から2016年にかけて行われ、2023年にはようやく開通を迎えました。

開通の具体的な影響

冠山峠道路の開通によって、岐阜県大垣市と福井県鯖江市の間を行き来する時間が約3時間から約2時間20分に短縮されます。また、福井県池田町から岐阜県揖斐川町の移動も、高速道路を利用した際の時間が149分から85分に減少します。これにより、両地域間のみならず、観光などの経済活動にも良い影響を与えています。

さらに、道路の線形不良箇所が大幅に解消され、幅員も広がったため、走行性や安全性が向上しました。従来の林道には73か所の急カーブが存在しましたが、整備後はこれらが解消されたため、運転がしやすくなりました。冬期の通行規制も解除され、除雪体制も整備されたため、冬の利用が容易になっています。

冠山峠道路の利用状況

開通から約121日が経過した後の調査では、通行止めの日数が顕著に減少し、平日昼間の交通量は689台から789台に増加しました。さらに、周辺の道の駅や観光地への訪問者も増加し、地域の経済が活性化しています。例えば、福井県池田町の「こってコテいけだ」では、来場者数が開通前の約6,300人から開通後には約8,300人にまで増加しました。

まとめ

冠山峠道路は、両県の人々にとって重要な交通路の一つとして位置づけられ、地域間の結びつきを強化する役割を果たしています。これからも冬期の利用が容易になれば、観光業を含む多くの分野にも良い影響を与えることでしょう。さらに、道路の管理については、岐阜県と福井県が協定を結び、共に管理を行っています。このように、冠山峠道路は具体的な様々な効果をもたらし、今後の発展に寄与することが期待されています。

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