冠山峠

冠山峠について

概要

冠山峠（かんむりやまとうげ）は、岐阜県と福井県の県境に位置する峠であり、標高は1,041.9メートルです。この峠は、林道冠山線が整備された1971年11月13日に新たに設置され、岐阜県揖斐川町と福井県今立郡池田町を結ぶ貴重な交通路となっています。これにより、この地域で車両の往来が可能な唯一の峠となりました。

以前は、冠山の東側には冠峠（冠ヶ峠）や冠越（かんむりごえ）が、西側には金草岳寄りの檜尾峠が利用されていたものの、これらは車両の通行ができませんでした。また、峠までアクセスするためには国道417号から分岐する林道冠山線を利用する必要がありますが、降雪の多い時期、つまり11月下旬から翌年の6月頃までは通行止めとなります。特に福井県側には開閉式ゲートが設置されており、この期間中は進入が禁止されるため、通行計画を立てる際には注意が必要です。

交通の発展

冠山峠の周辺では、林道とは別に国道417号に接続する冠山峠道路が整備されています。この道路には、岐阜県側に塚宮ケ原トンネル（建設時の仮称：冠山峠1号トンネル）が2017年7月31日に貫通し、さらに2020年11月4日に山頂直下の冠山トンネル（仮称：冠山峠2号トンネル）も完成しました。これにより、2023年11月19日には冬季でも峠の両側を行き来できる便利なアクセスルートとして利用可能となりました。

自然と観光

また、冠山峠は揖斐川の源流である才ノ谷と、九頭竜川水系の支流である足羽川の添又谷との分水嶺でもあり、「揖斐川源流 冠山」という石碑が設置されています。ここからは冠山や金草岳への登山道も整備され、登山客のための駐車スペースも広く設けられています。登山者はこの峠を起点に美しい山々の風景を楽しむことができ、特に冠山や白山の山並みが望まれるポイントとして知られています。

記念碑と歴史

峠には開通を記念する約2メートルの自然石に「冠山峠」と刻まれた記念碑があり、福井県知事の中川平太夫による揮毫です。また県境を挟む形で両県の地方自治体名が記載された石碑も設置されています。福井県側には「越前国池田町」の石碑があり、一方岐阜県側には「美濃国徳山村」、「美濃国藤橋村」、「美濃国揖斐川町」の3つの石碑が設置されています。これにより、岐阜県側の町村合併による変遷を知る手がかりともなっています。

まとめ

冠山峠は岐阜県と福井県を結ぶ重要な交通路であり、登山者にとっても魅力的なスポットです。訪れる際は、通行規制や天候に注意し、自然の美しさを満喫してください。

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