冨山和彦

冨山和彦:日本を代表する経営コンサルタント、その足跡と提言



冨山和彦氏は、1960年4月15日生まれの日本の経営コンサルタント経営者です。株式会社経営共創基盤(IGPI)の代表取締役CEOを務める傍ら、パナソニック東京電力ホールディングス、産業革新投資機構といった大企業の社外取締役を兼任しています。さらに経済同友会の副代表幹事、財務省や内閣府の審議会委員など、公的な活動も積極的に行っています。

経歴


東京都出身の冨山氏は、筑波大学附属駒場中学校・高等学校を経て、東京大学法学部を卒業。1985年ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)に入社後、翌年にはコーポレイトディレクション(CDI)の設立に参画し、経営戦略の立案と実行支援を担当しました。1990年にはスタンフォード大学でMBAを取得し、2001年にはCDIの代表取締役社長に就任しました。

CDIでは、アキヤマ印刷の再生や日本リース不動産部門の売却シナリオ作成に貢献。2003年には、政府の要請により産業再生機構の設立に参画し、代表取締役専務兼COOとして41社の企業再生を主導しました。2007年には、コンサルティングと企業再生を専門とするIGPIを設立し、代表取締役CEOに就任。関東自動車、茨城交通福島交通岩手県北自動車、浄土ヶ浜パークホテル、パイオニアなどの再生を手掛けました。

2009年には、JAL再生タスクフォースのサブリーダーとしてJALグループの再建に尽力。その後、IGPIの代表取締役CEOに復帰し、朝日新聞社やオムロンの社外取締役も務めています。2013年には経済同友会の副代表幹事に就任。2021年には「新しい資本主義実現会議」の有識者に、2022年には日本取締役協会の会長に就任するなど、幅広い分野で活躍しています。

人物像と経営哲学


冨山氏は、コーポレイトディレクションや産業再生機構での実績から、企業再生のスペシャリストとして広く知られています。バブル崩壊時にCDIが経営難に陥った経験が、その後の企業再生への取り組みに大きな影響を与えたとされています。

日本の大学教育については、グローバルな人材を育成するトップクラスの大学(G型大学)以外は、職業訓練所に特化すべきという考えを示しています。また、コンサルタントとしての人間性や人間力の重要性を説き、現場を重視した「腹に落ちるようなコミュニケーション」を提唱しています。マネックス証券の松本大氏とは、共著『この国を作り変えよう 日本を再生させる10の提言』を出版しており、経済界の盟友として親交が深いことでも知られています。

著作とメディア出演


冨山氏は、数多くの著書を通じて、その経営哲学や企業再生への考え方を発信しています。『なぜローカル経済から日本は甦るのか GとLの経済成長戦略』、『選択と捨象』、『決定版 これがガバナンス経営だ!』、『AI経営で会社は甦る』など、多様なテーマの著作があります。

また、テレビ東京の「ガイアの夜明け」や「カンブリア宮殿」などの経済番組にも出演し、その知見を広く社会に共有しています。

まとめ


冨山和彦氏は、経営コンサルタント経営者、そして社会的な活動家として、日本の経済界に多大な影響を与え続けています。その豊富な経験と実績、そして独自の経営哲学は、多くのビジネスパーソンにとって貴重な学びの機会を提供しています。企業再生、地域活性化、そして日本の未来を担う人材育成など、多岐にわたる分野での貢献は、今後も注目されるでしょう。

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