日本リース

株式会社日本リースは、日本におけるリース業の先駆けとして、その黎明期を牽引した企業です。1963年に日本リース・インターナショナルとして設立され、その後、日本リースへと社名を変更しました。この会社は、リースという新しいビジネスモデルを日本に根付かせ、その後のリース業界の発展に多大な影響を与えました。

創業者であり初代社長には市村清が就任し、役員には石坂泰三（当時経団連会長）、倉田主税（当時日立製作所会長）、藤井深造（当時三菱重工業相談役・元会長）、中川不器男（当時トヨタ自動車社長）、川又克二（当時日産自動車社長）など、当時の経済界を代表する錚々たるメンバーが名を連ねていました。この役員構成からも、同社への期待の大きさが窺えます。

設立当初、同社は日本初の人材派遣業も構想していました。しかし、当時の職業安定法に抵触するため、この構想は実現には至りませんでした。また、同社の設立経緯については、田中角栄が『市村清追悼集』の中で触れており、その一端を知ることができます。

1980年代に入ると、日本長期信用銀行（長銀）からの役員派遣を受け入れるようになり、実質的に長銀系の会社へと変貌を遂げます。この頃から、本業のリース業よりも、長銀の別働隊としてのファイナンス業に注力するようになります。しかし、バブル景気の終焉とともに巨額の不良債権を抱え、長銀とともに1998年に経営破綻しました。その負債総額は約2兆3000億円に達し、当時の日本における過去最高額を記録しました。

株式会社日本リースの歴史は、以下の通りです。

1963年8月1日：日本リース・インターナショナルとして設立
1967年1月：日本リースに社名変更
1998年9月27日：東京地方裁判所へ会社更生法の適用を申請
1998年9月29日：全額出資子会社である日本リースオートも同裁判所へ会社更生法の適用を申請
1999年3月1日：ゼネラル・エレクトリック（GE）が日本リースのリース部門と日本リースオート（現在のGEフリートサービス株式会社）を買収
2001年：GEキャピタルリーシング株式会社と改称

日本リースは、設立当初はリース業のパイオニアとして業界を牽引しましたが、バブル崩壊という時代の波に翻弄され、経営破綻という結末を迎えることになりました。しかし、その功績は大きく、日本におけるリース業の発展に大きく貢献した企業として、その名を歴史に刻んでいます。

参考文献
* 奧野善彦『会社再建：史上最大の巨大倒産管財人の記録』小学館、2000年。

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