冨春院 (甲府市)

大龍山冨春院について

大龍山冨春院（だいりゅうざんふしゅんいん）は、山梨県甲府市上今井町にある曹洞宗の寺院です。この寺院は、幸澗院（三世）と明宝伝警大禅師により1573年から1592年にかけて設立されました。冨春院は金峯山幸澗院の末寺にあたります。

歴史と沿革

冨春院は、その歴史において幾度かの災害に見舞われたことがあります。特に1854年の安政の大地震によって寺院は崩壊しましたが、現在の本堂は1990年に再建されました。

この寺院の開基には、東江常光庵主と慈間禅定法尼の名があり、彼らの活動によって寺院の基盤が築かれました。また、冨春院内に存在する墓塔の中には甲斐武田氏の第13代当主である武田信満の子、今井左馬守信景のものも含まれており、今井氏の先祖の墓塔も数多く存在します。

重要な出来事

• - 1573年 - 1592年: 幸澗院三世と明宝伝警大禅師により寺の設立
• - 1854年: 安政の大地震により寺が崩壊
• - 1990年: 本堂の再建

伽藍と墓塔

現在、冨春院には本堂、山門、そして今井家先祖菩提供養塔があります。特に、今井家に関連する歴史的な墓塔は訪れる人々にとって大きな見どころとなっています。これらの墓塔には戦国時代から続く今井氏一族の名が刻まれており、その歴史を物語ります。

歴代の住職

冨春院の現住職は福岡隆之（ふくおか りゅうし）で、2007年に大本山總持寺で修行を経て就任しました。住職の存在は、寺院の精神的な支えとなり、地域の人々に信仰の枠組みを提供しています。

今井氏に関する歴史

冨春院内部には今井氏関連の墓が多く存在し、信景を始めとした今井家の歴代が埋葬されています。信景は武田家に仕えた武将であり、彼の法名は「独阿弥陀仏」とされています。その子孫も同様に武田氏に仕官し、静岡県などに墓所があります。

重要な人物

• - 今井左馬守信景: 今井氏の始祖で、武田信満の子
• - 今井兵庫助信経: 信景の子
• - 今井九兵衛信俊: 第七代以降の今井氏は徳川幕府の幕臣として仕官

このように、冨春院はただの寺院にとどまらず、甲斐武田氏や今井氏の歴史を深く紡いでいる場所です。今日でも多くの参拝者が訪れ、静寂の中で歴史を感じることができます。

アクセス

冨春院へはJR中央本線の甲府駅から車で約20分、または南甲府駅からは約15分でアクセスできます。中央自動車道甲府南インターチェンジからは5分程度で到着します。寺院には乗用車用の駐車場が20台分完備されており、訪問者にとって便利な環境が整っています。

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