冨木田道臣

冨木田道臣について

冨木田 道臣（ふきた みちおみ）氏は1943年7月1日生まれの日本の実業家で、エフエム東京の元社長兼会長です。彼は香川県出身であり、1967年に中央大学法学部を卒業後にオリオン広告に入社、その後1974年にエフエム東京に転職し、同社の経営を担っていきました。

経歴

冨木田氏は、エフエム東京で様々な役職を歴任しました。1991年に取締役営業部長、1997年には常務取締役、2001年に専務取締役に就任しました。そして2005年、彼は代表取締役社長に昇進し、先代の社長である後藤亘氏が持っていた代表権のある会長職を引き継ぎます。2013年には代表取締役会長に就任し、経営戦略特別顧問であった千代勝美氏を新たな社長として迎えました。最終的に、2019年6月25日の株主総会をもって冨木田氏は退任しました。

経営問題の発覚

2019年に、冨木田氏はエフエム東京での役員時代に発生した粉飾決算問題に巻き込まれることになりました。この問題は、i-dio事業というV-Low帯マルチメディア放送プロジェクトに関わるもので、2017年から2019年の間に発生した財務上の損失を隠す目的で行われたとされています。具体的には、内部通報によりこの不正が発覚し、第三者委員会による調査が行われました。

調査報告書によれば、i-dio事業の赤字を隠蔽するために、エフエム東京グループ各社が保有する「TOKYO SMARTCAST株式会社」の株式を一時的に千代氏の知人に購入させ、持株比率を下げて連結対象から外す、いわゆる「連結外し」を実施していたことが指摘されました。この経緯を受け、エフエム東京は2019年6月の株主総会で経営陣を刷新しました。

損害賠償訴訟

その後、2022年4月19日にエフエム東京は、冨木田氏を含む4名の旧取締役に対し、法令違反及び善管注意義務違反についての損害賠償請求訴訟を東京地方裁判所に提起しました。請求金額は総額約4億8,230万円とされています。この問題は、日本の企業経営における倫理や透明性の観点からも大きな注目を集めました。

結論

冨木田道臣氏は、そのキャリアの中で多くの管理職を経験し、エフエム東京の経営に重要な役割を果たしましたが、企業の透明性や適正なガバナンスの重要性が改めて問われる結果となりました。彼の経歴や経営上の問題は、今後の日本の企業文化やビジネス倫理に関する議論の一部として取り上げられるでしょう。

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