凞子内親王

凞子内親王について

凞子内親王（ひろこないしんのう）は、鎌倉時代中期の皇族であり、後鳥羽天皇の皇女として生を受けました。彼女の母は丹波局であり、内親王としての特別な地位がありました。凞子内親王は、順徳天皇の朝廷で伊勢斎宮として名を馳せ、その後、深草斎宮や大谷斎宮とも呼ばれました。

生涯の早期

凞子内親王の歩みは、建保3年（1215年）に始まります。この年の3月14日、順徳天皇が即位し彼女は11歳で斎宮に選ばれました。この重要な役割を担うことで、彼女は国家や宮廷においてその役割を果たすべく選ばれたのです。同年9月21日には左近衛府に初めて斎院として入りました。これにより彼女の公的な生活がさらに広がっていきました。

その後、1216年9月20日に野宮へ入ることとなります。ここでの生活は祭りや儀式に従事することが重要な役割となり、彼女の妖艶な美しさや品位は多くの人々に知られることとなります。

伊勢行や准三后

建保4年には、彼女は伊勢に向かう群行に参加しました。1218年2月14日には、准三后の地位を授けられるなど、内親王としてますますその地位を確立していきました。

しかし、承久3年（1221年）に順徳天皇が譲位し、彼女は17歳で退下を余儀なくされます。この退下の後、彼女は同年の8月21日に京へ帰ることとなります。ここからも彼女がどのように生活を続けていったのか、様々な文献や記録からは断片的にしか知ることができません。

出家とその後の消息

寛喜2年（1230年）、26歳となった凞子内親王は出家する決意を固めました。この時期以降の彼女に関する記録は『明月記』にたびたび見られます。この記録によると、彼女は藤原定家や神祇伯家などとの交流を持ち、特に彼女の教養や知識、また人間関係が広がっていたことが伺えます。

天福元年（1233年）には29歳の凞子内親王に関する記事が記されており、彼女の生活の詳細が紹介されています。その翌年、彼女は義子内親王を養育することになります。この内親王は仲恭天皇の遺児で、後に和徳門院となりました。

凞子内親王のその後の消息については不明であり、彼女がどのような生涯を全うしたのかは謎に包まれています。しかし、彼女の存在は鎌倉時代の宮廷生活の中でも重要なものであったことは確かです。

参考文献

• - 山中智恵子『続斎宮志』砂子屋書房、1992年。 ISBN 4-7904-9221-4
• - 安田元久編 『鎌倉・室町人名事典』 新人物往来社、1990年。
• - 芳賀登ほか監修『日本女性人名辞典』日本図書センター、1993年。

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