仲恭天皇

仲恭天皇（ちゅうきょうてんのう）

仲恭天皇は、鎌倉時代の初期に在位した日本の第85代天皇です。在位期間はわずか78日と、日本の歴代天皇の中で最も短いことで知られています。本名は懐成（かねなり）といい、順徳天皇の第三皇子として生まれました。

生涯

1218年（建保6年）10月10日に、順徳天皇と中宮・立子（東一条院）の間に誕生しました。生後1ヶ月で皇太子となります。1221年（承久3年）4月20日、父である順徳天皇が承久の乱に参加するため譲位したことにより、わずか4歳で践祚しました。しかし、同年7月9日、承久の乱で後鳥羽上皇側の勢力が敗北したため、幕府によって皇位を廃され、高倉天皇の皇子である茂仁王（後堀河天皇）が擁立されることになりました。

仲恭天皇は幼少であったため、廃位は予想外であり、後鳥羽上皇の挙兵を非難していた慈円でさえ、幕府に仲恭天皇の復位を求める嘆願書を提出しました。廃位後は、母方の実家である九条道家の邸宅に引き取られ、1234年（天福2年）5月20日に17歳で崩御されました。

諡号（しごう）

在位期間が極めて短く、即位の礼や大嘗祭も行われなかったため、当時は諡号や追号が贈られず、「九条廃帝」や「承久の廃帝」などと呼ばれていました。明治時代になり、明治政府は、大友皇子（弘文天皇）や淡路廃帝（淳仁天皇）とともに、仲恭天皇にも天皇号を追諡することを決定しました。

天皇が第三子であったこと、諡号は敬意を表すものであることから「仲」と「恭」の字を組み合わせて「仲恭」の諡号としました。1870年7月23日に神祇官で祭典が執り行われ、翌日に太政官布告で正式に「仲恭天皇」と諡されました。

系譜

父: 順徳天皇
母: 立子（東一条院、九条良経の娘）
后妃: 右京大夫局（性慶の娘）
皇子女: 義子内親王（和徳門院）

在位中の元号

承久（1221年4月20日 - 1221年7月9日）

陵墓

仲恭天皇の陵は、京都市伏見区深草本寺山町にある九條陵（九条陵）に治定されています。また、京都市東山区本町にある宮内庁の東山本町陵墓参考地も、仲恭天皇の被葬候補地の一つとされています。

皇居では、皇霊殿において他の歴代天皇・皇族とともに仲恭天皇の霊が祀られています。また、若宮八幡宮社では左相殿に祀られています。

関連事項

* 承久の乱

仲恭天皇は、その短い在位期間と、幼くして政治の混乱に巻き込まれた悲劇的な生涯を送った天皇として、歴史に名を残しています。

もう一度検索