処女宮

処女宮（おとめ座）について

処女宮は、西洋占星術における黄道十二宮の6番目の星座で、おとめ座として広く知られています。この星座は、獣帯の中で黄経150度から180度の範囲に位置し、太陽がこの領域を通過する時期は、一般的に8月23日頃から9月22日頃とされています。ただし、実際の太陽の通過時期は年によって若干のずれが生じます。

基本的な特徴

処女宮は、四大元素においては「土」に分類され、金牛宮（おうし座）や磨羯宮（やぎ座）と同じグループに属します。土の星座は、現実的、実務的、安定を求める傾向があるとされ、処女宮もまた、そのような性質を色濃く持っています。対極の星座は双魚宮（うお座）で、感受性や理想主義を象徴します。

処女宮は「変通」の区分にも属しており、これは変化や適応能力を意味します。状況に応じて柔軟に対応し、物事を改善しようとする意欲があるでしょう。また、女性的な性質を持つとされ、内向的で受容的な側面も持ち合わせています。

守護星と関連する惑星

処女宮の守護星は水星です。水星は知性、コミュニケーション、分析力を司るとされ、処女宮の持つ知的な側面や詳細にこだわる性格を反映しています。占星術師によっては、ケレス（穀物の女神）、パラス（知恵の女神）、ジュノー（結婚の女神）、ベスタ（かまどの女神）といった小惑星や準惑星を処女宮の守護星とすることもあります。かつて、水星の内側にバルカンという惑星が存在するという説が提唱された際には、占星術ではバルカンが処女宮の守護星となる可能性が示唆されました。

水星は処女宮において高揚の座を持つとされ、その影響力が最大限に発揮されます。一方、木星と海王星は処女宮にとって障害の座に、金星は転落の座にあるとされており、これらの惑星のエネルギーは処女宮の性質を弱めると考えられています。

神話との関連

処女宮は、古代神話に登場する様々な女神たちと結びつけられてきました。アストライアー（正義の女神）、イシュタル（愛と豊穣の女神）、イセト（豊穣の女神）、デーメーテール（農業の女神）、ペルセポネー（冥府の女王）、キュベレー（大地の女神）、アテーナー（知恵と戦いの女神）など、多くの女神が処女宮の象徴として語り継がれています。これらの女神たちは、処女宮が持つ純粋さ、知性、豊穣さ、そして自立心を体現しています。

処女宮の象徴

処女宮は、その名の通り「乙女」を象徴しますが、単なる純粋さだけでなく、分析力、実務能力、完璧主義、そして批判精神といった側面も持ち合わせています。細部にまで気を配り、物事を徹底的に分析する能力は、処女宮の大きな強みです。

西洋占星術における位置づけ

処女宮は、西洋占星術において重要な位置を占めており、個人の性格や運勢を占う上で欠かせない要素です。太陽星座だけでなく、月星座やその他の惑星との関係性によって、さらに複雑な解釈が可能となります。

関連項目

• - 西洋占星術
• - サン・サイン
• - ハウス（占星術）

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