出口敦

出口 敦（でぐち あつし）

1961年（昭和36年）生まれの日本の建築学者、都市計画家、そしてアーバンデザイナー。特に都市を対象とした研究で知られ、現在、東京大学大学院新領域創成科学研究科の教授を務めている。東京大学で工学博士号を取得。

研究領域

彼の研究は都市に関わる多岐にわたる分野に及ぶ。具体的には、街並みや空間の質を扱う「都市デザイン」、都市の発展や整備のあり方を計画する「都市計画」に加え、近年重要視されている「アジア都市」の研究にも力を入れている。また、自治体などの指針となる「都市計画マスタープラン」の策定に関わる実践的な研究や、都市の中心部における活力創出を目指す「都心賑わい論」も専門としている。

経歴

東京都に生まれた。学歴としては、1984年に東京大学工学部の都市工学科を卒業。その後、同大学の大学院に進み、1990年に博士後期課程を修了した。大学院在学中にはウィーン工科大学への留学経験も持つ。博士課程修了後の1992年、東京大学の助手に就任し、研究者としてのキャリアをスタートさせた。

1993年からは九州大学に移り、助教授として教育・研究活動を行った。この九州大学在籍期間中の1997年から1998年にかけては、アメリカ合衆国のマサチューセッツ工科大学（MIT）にて客員研究員として招聘され、国際的な視野を広げた。九州大学には2006年まで助教授として勤務し、同年から教授に昇進。2011年まで九州大学の教授を務めた。

2011年からは母校である東京大学に再び籍を移し、現在まで教授として教鞭を執り、後進の指導にあたるとともに、都市に関する研究の第一線で活躍している。

受賞

国際的なコンペティションでの受賞歴も持つ。1987年にはIFHP（国際住宅・都市計画連合）の国際設計競技において最優秀賞を受賞している。

主な著作

都市計画やアーバンデザインに関する多くの書籍を執筆・編集している。主なものとしては、複数の研究者と共に執筆した共著が挙げられる。

『アーバンデザインの現代的展望』（渡辺定夫編著、鹿島出版会、1993年）
『まちづくりデザインのプロセス』（日本建築学会、2004年）
『景観まちづくり』（まちづくり教科書 第8巻、丸善、2005年）
『都市美』（西村幸夫編著、学芸出版社、2005年）

また、単著ではなく、テーマを設定して複数の研究者による論考をまとめた編著も刊行している。

* 『アジアの都市共生』（九州大学出版会、2005年）

これらの著作は、都市研究やまちづくりの分野において広く参照されている。彼の研究と教育活動は、日本の都市空間の将来やアジアの都市が抱える課題の解決に貢献している。

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