西村幸夫

西村幸夫について

西村幸夫氏は、1952年生まれの日本の都市工学者です。國學院大學観光まちづくり学部の学部長を務めており、都市計画、都市保全、都市景観計画、市民主体のまちづくりを専門としています。工学博士の学位を持ち、長年にわたり都市に関する研究と教育に携わってきました。

経歴

福岡県福岡市で生まれた西村氏は、福岡県立修猷館高等学校を経て、1977年に東京大学工学部都市工学科を卒業しました。その後、1982年に東京大学大学院工学系研究科博士課程を修了しています。明治大学工学部建築学科助手を経て、東京大学工学部都市工学科助教授、そして1996年に同教授に就任しました。2008年からは東京大学先端科学技術研究センター教授も兼務し、2011年には東京大学副学長に就任するなど、要職を歴任しています。また、アジア工科大学助教授、MIT客員研究員、コロンビア大学客員研究員、社会科学高等研究院客員教授など、海外の研究機関でも活動経験があります。2013年4月から2016年3月まで東京大学先端科学技術研究センター長を務め、2020年4月には國學院大學新学部設置準備室長、2022年4月からは國學院大學観光まちづくり学部長に就任しています。

研究分野

西村氏の研究は、都市計画、都市保全、都市景観計画、市民主体のまちづくりと多岐にわたります。特に、歴史や文化、自然を活かした都市づくりに関心を持ち、著書や論文を通じて積極的に研究成果を発表しています。

受賞歴

西村氏は、その研究業績により、数々の賞を受賞しています。1991年度には日本建築学会奨励賞（論文）、1996年度には日本建築学会賞（論文）を受賞しました。1998年度には『環境保全と景観創造』で日本不動産学会著作賞、2003年度には『都市の風景計画』（韓国語版）で韓国文化観光省優秀学術図書賞、2005年度には『都市保全計画』で日本都市計画学会論文賞を受賞するなど、国内外で高い評価を得ています。

主な著書

西村氏は、単著、編著、共著を合わせて多数の著書を執筆しています。

単著

『歴史を生かしたまちづくり：英国シビック・デザイン運動から』（古今書院、1993年）
『アメリカの歴史的環境保全』（実教出版社、1994年）
『Civic trust：英国の環境デザイン《1978〜1991》』（駸々堂、1995年）
『町並みまちづくり物語』（古今書院、1997年）
『環境保全と景観創造：これからの都市風景へ向けて』（鹿島出版会、1997年）
『西村幸夫都市論ノート：景観・まちづくり・都市デザイン』（鹿島出版会、2000年）
『都市保全計画：歴史・文化・自然を活かしたまちづくり』（東京大学出版会、2004年）
『西村幸夫風景論ノート：景観法・町並み・再生』（鹿島出版会、2008年）
『西村幸夫文化・観光論ノート：歴史まちづくり・景観整備』（鹿島出版会、2018年）
『まちを想う：西村幸夫講演・対談集』（鹿島出版会、2018年）
『県都物語：47都心空間の近代をあるく』（有斐閣、2018年）

編著

『路地からのまちづくり』（学芸出版社、2006年）
『観光まちづくり：まち自慢からはじまる地域マネジメント』（学芸出版社、2009年）

共編著

（町並み研究会）『都市の風景計画：欧米の景観コントロール：手法と実際』（学芸出版会、2000年）
（寺西俊一）『地域再生の環境学』（東京大学出版会、2006年）
（石原武政）『まちづくりを学ぶ：地域再生の見取り図』（有斐閣、2010年）
（野澤康）『まちの見方・調べ方：地域づくりのための調査法入門』（朝倉書店、2010年）
（伊藤穀・中井祐）『風景の思想』（学芸出版社、2012年）
（本中眞）『世界文化遺産の思想』（東京大学出版会、2017年）

訳書

スメート・ジュムサイ 『水の神ナーガ』（鹿島出版会、1992年）
アラン・ジェイコブス 『サンフランシスコ都市計画局長の闘い』（共訳、 学芸出版社、1998年）

社会貢献

西村氏は、研究活動だけでなく、社会貢献にも積極的に取り組んでいます。講演会や対談を通じて、都市問題に関する知識や考え方を広く発信し、地域づくりやまちづくりに関わる人々の育成にも力を入れています。その活動は、都市の発展と住民の生活の質の向上に貢献しています。

外部リンク

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東京大学工学部都市工学科 西村・北沢・窪田 都市デザイン研究室
東京大学先端科学技術研究センター
* 西村幸夫先生講演会記録

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