函館どつく

函館どつく株式会社について

函館どつく株式会社は、北海道函館市に所在する造船メーカーで、地域の経済において重要な存在です。会社名は「どっく」と読むものの、表記は「つ」を大文字にしており、東京証券取引所で上場廃止となった企業一覧にも名を連ねています。

概要

この企業は、日本国内で最大の造船業者であり、函館市と室蘭市に工場を構えています。函館の造船所は、幕末の開港から長い歴史を持ち、特に北洋漁業の発展とともに地域経済を支えてきました。一方、室蘭では一時期造船業から撤退しましたが、今では橋梁や産業機械の生産を行い、同社は業務の多様化に成功しています。特に、函館造船所の第一号乾ドックは、経済産業省から「近代化産業遺産」に認定されており、函館港の改良施設群としても評価されています。

主要事業

函館造船所は「ハンディサイズバルカー」として知られる2万から4万重量トンのばら積み船の製造において、国際的な競争力を誇っています。2000年代には、自社開発した3万2千トン級バルカー「スーパーハンディ32」が高い評価を受け、80隻以上の受注がありました。2010年代には名村造[[船所]]との共同開発で生まれた3万4千トン級バルカー「HIGH BULK 34E」が多くの船主に支持され、さらに3万8千トン級や4万トン級も共同で開発しています。室蘭製作所では、函館で製造する船体の一部を製作し、橋梁や陸上荷役機械の生産、小型船の建造なども行っています。また、両造船所において船舶修繕事業も多岐にわたっています。

歴史

函館どつくの前身となる函館船渠は、北海道発展のための大規模なプロジェクトとして、弁天台場周辺の工事を実施しました。1896年に「函館船渠（株）」として創立し、1903年には第一号乾ドックが完成しました。この間、1940年には室蘭船渠を合併し室蘭造船所となり、その後「函館ドック（株）」と社名を改称しました。

1970年代からは経営危機に直面し、1984年には現在の「函館どつく（株）」が新たに法人として設立されたことで、事業を継続する道が開かれました。1999年には南北海道興産から生産設備を購入し、経営の健全化を図りました。さらに、2003年には本社が函館市に戻り、ISO認証を取得するなど、技術力の向上に注力しています。

設備

函館造船所では、様々な船台や乾ドックを備えており、特に第3号ドックは長さ330メートル、幅58メートルと大型です。また、室蘭製作所でも多くの工場と乾ドックを用意し、造船業に必要な設備が整っています。これらの施設を活用することで、効率的な生産が実現されています。

アクセス

函館造船所へのアクセスは便利で、函館市電の「函館どつく前停留場」から歩いてすぐの距離にあります。室蘭製作所も道沿いで、公共交通機関の利用が可能です。

このように、函館どつく株式会社は長い歴史を有し、地域や国際的な船舶産業において重要な役割を果たしている企業です。

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