名村造船所

株式会社名村造船所の概要

株式会社名村造船所は大阪市西区に本社を構える、日本の主要な造船会社の一つです。特に、新造船事業を中心に活動を展開しており、ケープサイズバルクキャリアやマラッカマックス型VLCCなどの大型商船の建造に特化しています。かつては大阪市住之江区の木津川沿いに所在地を構えていましたが、大型船舶の需要の高まりに応じ、1970年代前半に佐賀県伊万里湾に新たに伊万里工場を設立しました。

本社を伊万里事業所に移転する際、大阪の財務部門や登記上の本社は維持され、船舶の営業部門は東京に残る形となりました。こうした組織体制の変化により、名村造船所は地域的な利点を活かしながら、大型船舶建造に特化した生産体制を確立しました。さらに、同社は「みどり会」の会員企業であり、三和グループにも属しています。

冷戦後の新造船需要の増加や、2000年代の造船業ブームにより、名村造船所は伊万里事業所での船舶竣工量を大幅に伸ばしました。また、2008年から函館どつく、2014年から佐世保重工業を子会社に持つことで、新造船事業での完成度を高めていきました。これにより、名村造船所は今治造船グループおよびジャパンマリンユナイテッドに続く国内第三位の規模を誇り、競合する大島造船所と熾烈な競争を繰り広げています。

歴史的沿革

名村造船所の歴史は1911年にさかのぼり、創業者名村源之助の手によってスタートしました。その後、1931年には株式会社に改組し、名村造船所が誕生しました。この時点で、大阪市住之江区にある旧村尾船渠の設備を取得し、自社工場として活用しました。1950年代からは、東京事務所を開設し、1949年には大阪証券取引所に上場を果たしています。

1961年には鉄構工場を新設し、陸上部門にも進出しました。1974年には伊万里工場を竣工させ、本格的な操業が開始されました。その後、大阪工場の設備を他者へ売却し、1982年には本社を現在の西区へ移転しました。

会社は1980年代以降、特に造船業界での競争が激化する中で、伊万里事業所の設備を増強し続けました。2000年代に入ると、函館どつくの資本参加を経て、2014年に佐世保重工業との株式交換を行い、完全子会社化しました。さらに、2018年にはオリイメック株式会社をアマダホールディングスに譲渡しました。

事業所と関係会社

名村造船所の本社は大阪の立売堀に位置し、東京事務所は港区にあります。また、佐賀県には伊万里事業所があり、ここには大型の建造ドックが設置されています。さらに、ロンドンにも駐在員事務所を設けており、国際的な営業展開を図っています。

同社の主な関係会社には、100%出資の佐世保重工業と名村マリン、函館どつく、玄海テックなどが存在し、造船業界全体での競争力を強化しています。名村造船所は、技術革新と生産性向上を追求しながら、今後の造船業界でのさらなる発展に挑戦し続けています。

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