刀根早生

刀根早生（とねわせ）

刀根早生は、奈良県天理市発祥の渋柿の品種です。平核無柿（ひらたねなしかき）の枝変わりとして生まれ、早生柿の主力品種として全国で栽培されています。

概要

平核無柿よりも10日から15日ほど早く成熟し、9月中旬から10月中旬にかけて収穫できるのが特徴です。早生で品質が良いことから、奈良県をはじめとする各地で広く栽培されています。

歴史

刀根早生は、奈良県天理市萱生（かよう）町の刀根淑民（とね よしたみ）氏によって育成されました。1959年（昭和34年）の伊勢湾台風で折れてしまった平核無柿の木の根元から生えてきた若木に、その木の枝を接ぎ木したところ、偶然にも他の枝よりも早く実がなる枝が見つかったことが始まりです。その後、県立農事試験場の協力により、この枝が突然変異による新品種であることが判明し、1980年（昭和55年）に「刀根早生」として品種登録されました。

特徴

刀根早生は、平核無柿によく似た外観を持ちます。果実の大きさは約240gで、扁平で四角い形状をしており、種がありません。果皮は橙色で光沢があります。

渋柿であるため、炭酸ガスなどを用いた渋抜き処理を行い、「合わせ柿」や「さわし柿」として出荷されます。

成熟期が早く、9月下旬から10月上旬に収穫され、9月から10月下旬にかけて市場に出回ります。近年では、ハウス栽培も行われており、7月初旬には店頭に並び始めることもあります。

果汁が豊富で、適度な柔らかさと滑らかな食感が特徴です。甘みが強く、まったりとした味わいは、幅広い世代に好まれています。

また、脱渋処理を行わずに、丁寧に干して渋を抜き、手作りの「あんぽ柿」に加工されることもあります。

栽培

刀根早生は、奈良県から日本各地に広がり、栽培されています。2010年（平成22年）の栽培面積および生産量では、和歌山県が全国1位であり、全国の生産量の約半分を占めています。次いで、奈良県、新潟県が多く生産しています。

関連項目

カキノキ

外部リンク

「刀根早生柿」『旬の食材百科』 ※実際には存在しないURLです

もう一度検索