分別と多感 (2008年のテレビドラマ)

2008年版『分別と多感』：ドラマ詳細

ジェイン・オースティンの名作小説を基にした、2008年制作のイギリスのテレビドラマ『分別と多感』。アンドルー・デイヴィスが脚本を担当し、ジョン・アレクサンダーが監督を務めました。このドラマは、リー・アン監督による1995年の映画版とは異なる視点を提供することを意図して制作されました。

あらすじ

物語は、ダッシュウッド家の財産相続を巡る問題を背景に、エリノアとマリアンヌという対照的な性格の姉妹を中心に展開します。

第一話

ヘンリー・ダッシュウッドの死後、遺産は息子のジョンに相続されます。ジョンは、継母メアリーと異母姉妹のエリノア、マリアンヌ、マーガレットの生活を保障すると約束しますが、妻ファニーの強い影響により、生活費は大幅に削減されます。ダッシュウッド家はノーランド・パークを離れざるを得なくなり、親戚のミドルトン卿の厚意でバートン・パークのコテージに移り住むことになります。

そこで、ブランドン大佐や、マリアンヌと恋に落ちる青年ウィロビーと出会います。マリアンヌとウィロビーは急速に親密になりますが、突然ウィロビーはロンドンへ行くことになり、二人の関係は不確かなものとなります。

第二話

ブランドンはダッシュウッド家を屋敷のパーティーに招待しますが、自身は急用でロンドンへ。ウィロビーとの再会を期待するマリアンヌでしたが、彼は冷たい態度を取り、彼女を無視します。一方、ルーシーという女性が、エリノアにエドワードとの婚約を告白。エリノアは大きな衝撃を受けます。

第三話

マリアンヌはウィロビーが裕福な女性と婚約したことを知り、深く傷つきます。ブランドンはエリノアに、ウィロビーが過去に若い女性を誘惑し、妊娠させた挙句に捨てたという事実を打ち明けます。エドワードはルーシーとの婚約を解消しない限り、相続権を剥奪されると宣告されますが、彼はそれを拒否します。嵐の中、マリアンヌは倒れて重い熱病にかかります。ウィロビーはエリノアを訪ね、過去の行いを釈明しようとしますが…。

マリアンヌは回復後、ブランドンに惹かれ、エリノアはルーシーがエドワードではなく、彼の兄弟ロバートと結婚したことを知ります。エドワードはエリノアに愛を告白し、二人は結ばれます。マリアンヌもブランドンと結婚し、姉妹はそれぞれ幸せな未来を歩むことになります。

製作

アンドルー・デイヴィスは、視聴者に1995年の映画版を忘れさせるようなドラマを目指し、脚色を行いました。彼は、原作小説に描かれている性や金銭に関する描写をより鮮明に表現するため、ウィロビーが若い女性を誘惑する場面などを追加しました。

キャスト

エリノア・ダッシュウッド：ハティ・モラハン（牛田裕子）
マリアンヌ・ダッシュウッド：チャリティー・ウェイクフィールド（うえだ星子）
エドワード・フェラース：ダン・スティーヴンス（野沢聡）
ブランドン大佐：デビッド・モリシー
ジョン・ウィロビー：ドミニク・クーパー（速水秀之）

撮影

撮影は、バークシャー、サリー、バッキンガムシャー、デボンなどの地域で行われました。バートン・コテージとして使用されたブラックプール・ミルは、15世紀に建てられた趣のある建物です。

放送と評価

イギリスでは、2008年1月1日から3つのエピソードとして放送されました。第一話は554万人の視聴者を集め、最終話では676万人に達しました。

受賞とノミネート

上海テレビ祭：最高テレビ映画/ミニシリーズ部門ノミネート、監督賞、主演女優賞
放送プレス・ギルド賞：脚本賞ノミネート
衣装デザイナー・ギルド賞：テレビ映画/ミニシリーズ衣装デザイン部門受賞
イギリス・アカデミー・テレビ製作者賞：オリジナル・テレビ音楽部門受賞
クリエイティブ・アーツ・エミー賞：ミニシリーズ/テレビ映画/特集番組作曲部門ノミネート、撮影監督部門ノミネート

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