初恋通り

初恋通（はつこいどおり）

宮城県仙台市宮城野区に位置する初恋通は、仙台駅東口駅前広場から藤村広場までを結ぶ歩行者専用道路です。この道は、鹽竈神社と三吉神社の表参道としての役割も担っています。

名称の由来

初恋通の名前は、文豪・島崎藤村の代表的な詩「初恋」に由来します。明治29年、藤村が東北学院の教師として仙台に赴任した際、現在の鹽竈神社の場所にあった三浦屋に下宿していました。その三浦屋で執筆されたのが、彼の第一詩集『若菜集』であり、その中に収録されているのが有名な「初恋」の詩です。この縁から、鹽竈神社へと続く道が「初恋通」と名付けられました。また、詩が生まれた場所にある鹽竈神社は、交通安全や安産だけでなく、縁結びや初恋成就のご利益があるとされています。

概要

初恋通は、仙台駅東第二土地区画整理事業の一環として整備されました。南は仙台駅東口駅前広場、東は東七番丁、北は名掛丁、西は東六番丁に囲まれたエリアをL字型に走っています。この道と藤村広場、そして藤村広場の北に続く東名掛丁線は、都市計画における特殊街路に指定されています。

初恋通の起点は、BiVi仙台駅東口と仙台駅東口交番の間に位置し、そこから北に鹽竈神社と三吉神社の鳥居前へ向かい、そこから西に折れて藤村広場へと至ります。道の中央には植栽やベンチが設置され、島崎藤村の「初恋」の詩碑も置かれています。この道路の歴史はやや複雑で、1998年までは一部が市道として車両も通行していましたが、その後の区画整理で歩行者専用道路となりました。また、鹽竈神社前から藤村広場までの区間は、かつてJR仙石線の軌道敷でした。仙石線が地下化された後、周辺の整備が進み、2002年に鹽竈神社と三吉神社が現在地に遷宮、2004年には藤村広場と東口駅前広場が完成しました。

現在の状況

現在、初恋通沿いには飲食店ビルやマンションが立ち並び、仙台駅東口における新たな歓楽街としての地位を確立しつつあります。また、2008年に開通した「仙台駅北部名掛丁自由通路」によって、西口側の中央通と東口駅前広場を結ぶ最短ルートとなり、多くの歩行者がこの道を通るようになりました。

初恋通は、その名の由来となった詩「初恋」のロマンチックなイメージと共に、仙台駅東口の発展を象徴する重要な場所となっています。

付記

関連事項として、国分町、宮城野橋、中央通、鹽竈神社、仙台市都心部などが挙げられます。
NIT仙台観光放送局による「杜の都の散歩道～初恋通～」や、仙台市の「仙台駅東第二土地区画整理事業」に関する情報も参照可能です。

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