初音ミクの消失

初音ミクの消失

『初音ミクの消失』は、2008年4月8日にリリースされた日本のVOCALOID楽曲で、ボカロPのcosMo@暴走Pによって制作されました。この楽曲は初音ミクが歌うもので、発表当初から多くのファンに支持され、動画共有サイト「ニコニコ動画」ではロングバージョンが公開されるや否や、多くの再生を記録しました。2010年までにその再生回数は約400万を超え、特にその独特のスタイルから高い評価を受けています。

「初音ミクの消失」は、BPM240の非常に速いテンポで、非常に難解な歌詞構成が特徴です。そのため、2011年には通信カラオケの大手「JOYSOUND」が発表した「難しすぎて歌えない曲」ランキングで第1位を獲得するなど、その難易度の高さでも有名です。また、リズムアクションゲーム『初音ミク -Project DIVA-』にも収録されており、プレイヤーにとっては挑戦的な曲となっています。

楽曲名の「初音ミクの消失」は、cosMoが以前に発表した「初音ミクの暴走」に由来しており、小説『涼宮ハルヒシリーズ』のタイトルから着想を得た言葉です。cosMoは、自身のインタビューでこのタイトルをあまり深く考えずに付けたことを反省していますが、楽曲の歌詞内容は非常に真面目で、深い意味合いを持っています。この曲では、初音ミクが様々な作品から形作られ、共鳴する存在として描かれています。人々のイメージが初音ミクに付加されなくなったとき、彼女は「消失」してしまうという漠然とした悲しみが表現されているのです。

アルバム『初音ミクの消失』

この楽曲を含むアルバム『初音ミクの消失』は、2010年8月4日にEXIT TUNESから発売されました。このアルバムには、2007年から2010年にかけてcosMoが発表した楽曲シリーズである「消失」シリーズの全14曲が収録されており、リマスタリングが施されています。アルバムのキャッチコピーには「初音ミク。その「誕生」「暴走」「戸惑」「分裂」「破壊」「終焉」「消失」そして「激唱」」があり、初音ミクの物語を音楽を通じて表現することをテーマにしています。

リリースのきっかけは、同じくボカロPであるデッドボールPの提案によるもので、ファンからの要望から形になりました。また、収録曲の中には初音ミクの追加音源「初音ミクAppend」を使用した「初音ミクの分裂→破壊」などもあり、アルバム全体を通して初音ミクの成長過程や160のアートとともに彼女の物語が展開されています。ジャケットイラストは左が担当し、特典としてジグソーパズルのストラップやクリアファイルなども用意されていました。

初週のセールスでは19427枚を記録し、オリコンチャートで6位にランクイン、2012年からはダウンロード販売も始まり、さらに多くのリスナーに届くことになりました。

小説版『初音ミクの消失』

このアルバムをもとにした小説版も2012年7月に発売され、cosMo自身が原作を手掛け、ストーリーの著作は阿賀三夢が行い、イラストは夕薙が担当しました。この小説版では、楽曲が表現したテーマをより具体的に描写し、物語として展開しています。アルバムのブックレットでは描かれていなかった内容が盛り込まれ、初音ミクをフィールドテストの人造人間として描写するなど、斬新なストーリー展開がされています。

この曲とその関連作品は、多くの人々に愛され続け、初音ミクの象徴的な存在として、今なお新たな創作やコラボレーションを生み出すきっかけになっています。これからも、「初音ミクの消失」は多くのファンにとって忘れられない楽曲あり続けるでしょう。

もう一度検索