利根コカ・コーラボトリング

利根コカ・コーラボトリング株式会社：地域に愛されたボトラーの歴史

利根コカ・コーラボトリングは、1962年から2015年まで存在した、千葉県、茨城県、栃木県を販売地域とするコカ・コーラのボトラー企業です。親会社であるコカ・コーライーストジャパンに吸収合併され、その歴史に幕を閉じました。

概要

同社は、地域限定で愛された「ジョージア・マックスコーヒー」を独自に開発・販売していました。この商品は後に全国展開され、広く知られるようになりました。また、各工場では見学や試飲会が開催され、地域住民との交流も大切にしていました。

営業エリアは、群馬県、埼玉県、新潟県が三国コカ・コーラボトリング、東京都が東京コカ・コーラボトリング、神奈川県、山梨県がコカ・コーラ セントラル ジャパンと分かれていました。これらの企業も後にコカ・コーライーストジャパンに吸収合併されています。

沿革

1962年：利根飲料株式会社として設立（千葉県野田市）。
1963年：利根コカ・コーラボトリング株式会社に社名変更。本社を市川市に移転し、市川本社工場を竣工。
1965年：コカ・コーラ250ml缶を販売開始。
1966年：千葉工場竣工。
1967年：宇都宮工場竣工。
1968年：千葉工場に生産ラインを増設し、市川工場を閉鎖。
1970年：茨城工場竣工。千葉・宇都宮工場と合わせて3工場体制が確立。
1972年：千葉増設工場に高速レギュラーサイズ専用ラインを設置。
1973年：本社新社屋完成（千葉県野田市）。子会社として利根ソフトドリンク（後のイトシア）を設立し、ドクターペッパーの販売を開始。
1974年：茨城工場に250ml缶製品ラインを設置し、缶入り製品の自社生産を開始。
1975年：利根ソフトドリンクを通じてマックスコーヒーを発売。ジョージアコーヒーを栃木県限定で発売。
1977年：コカ・コーラ1リットルサイズを発売。茨城工場で製造開始。
1978年：マックスコーヒーを栃木県で発売。
1979年：ジョージアコーヒーを千葉県及び茨城県で発売。
1981年：コカ・コーラ500ml缶を130円で発売。
1983年：三国コカ・コーラボトリング仕入製品の1.5ℓペットボトル入りコカコーラを千葉・茨城・栃木で発売。茨城工場にマックスコーヒー専用ラインを設置。
1985年：宇都宮工場にマルチボトルラインのビン3号ラインを増設。
1987年：千葉増設工場にコーヒー缶ライン及びポストミックスラインを設置。茨城工場にてジョージアコーヒー製造開始。
1988年：千葉増設工場コーヒー缶ライン改造工事完了。
1989年：千葉工場で1.5ℓペットボトル製品の製造開始。
1991年：マックスコーヒーをジョージアブランドに編入。
1996年：千葉ロジスティクスセンター稼動。
1997年：千葉工場及び宇都宮工場を閉鎖。ビン製品のラインを茨城工場に集約。茨城工場にPET専用のビン1号ラインが竣工。
2001年：製造部門をコカ・コーライーストジャパンプロダクツ株式会社へ譲渡。茨城工場小型PET・ボトル缶共用ライン竣工。
2005年：茨城工場ビン3号ラインを撤去。ガラスビン製品の製造を多摩工場に集約。
2008年：茨城工場レトルト缶ラインの改修工事完了。
2012年：イトシア株式会社を吸収合併。
2013年：コカ・コーライーストジャパン株式会社を持株会社として、株式交換と分割により経営統合。同社の完全子会社となる。
2015年：コカ・コーライーストジャパンが、コカ・コーラ セントラル ジャパン、三国コカ・コーラボトリング、東京コカ・コーラボトリング、当社を吸収合併し、事業会社化。会社は消滅。

工場

茨城工場: 1970年開設。びん製品から缶製品、リットルびん、コーヒー缶と、主力工場としての役割を担いました。2001年にコカ・コーライーストジャパンプロダクツ茨城工場となりました。
千葉工場: 全自動立体倉庫を備えた最新鋭工場でしたが、1997年に閉鎖。
宇都宮工場: ボトル製品の製造拠点。無菌充填PETボトルライン設置の構想もありましたが、実現せず1997年に閉鎖。
市川工場: 野田醤油（現キッコーマン）行徳工場跡地に建設。水資源に乏しく、敷地面積も小規模であったため、千葉工場ライン増設に伴い閉鎖。跡地には市川支店が設置されています。

関連会社

利根物流サービス株式会社
利根自動販売機サービス株式会社
EX－サービス株式会社


利根コカ・コーラボトリングは、地域に根ざした企業として、様々な製品を消費者に届け、地域経済に貢献しました。その歴史は、コカ・コーラの日本における発展の一端を示すものと言えるでしょう。

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