利賀ダム

利賀ダム（とがダム）について

利賀ダムは、富山県南砺市に位置する特定多目的ダムで、庄川水系利賀川に建設中です。このダムは、国土交通省北陸地方整備局によって整備され、高さ112.0mの重力式コンクリートダムです。利賀ダムの主な目的は、洪水調整と流域への工業用水供給です。

歴史的経緯

利賀ダムの建設に関する計画は1989年に始まり、1993年には実際の建設事業がスタートしました。1994年には基本計画が公示され、次の数年間で用地取得や水没家屋の移転が進められました。しかし、2009年にダム事業は一時凍結されました。これは、民主党政権によるダム事業の再検証の結果によるものです。しかし、2016年に建設の継続が決定され、事業は再び動き出しました。2023年には、本格的な本体工事に着手することが発表され、2024年には着工式典が行われる予定です。

地理的特徴

利賀ダムのある利賀川は、岐阜県高山市の烏帽子岳を源流とし、庄川水系の支川です。この川は、砺波市庄川町の小牧ダムへと合流し、最終的には日本海へ注ぎます。ダムサイトは庄川の河口から約40km、庄川の合流点からは約8kmの位置にあり、地形は急峻なV字谷を形成しています。この地域は、かつて利賀村として知られていた地域にあたります。

ダムの目的

利賀ダムは、洪水調整を主な目的として設計されています。計画された高水流量は毎秒770立方メートルであり、そのうち500立方メートルの洪水調節が行われます。さらに、工業用水の供給として、富山県には1日最大で8,640立方メートルの水が提供される予定です。また、既存の用水の補給や河川の流水を維持するため、不特定の利水にも貢献します。

観光情報

現在、ダムサイト周辺には観光施設はありませんが、利賀川の上流には観光スポットが存在します。特に「利賀飛翔の郷」や「利賀瞑想の郷」、そばの郷資料館などが評判です。交通の便も良く、国道471号が主なルートとなっており、ダム建設が進む中では工事用道路が整備されています。この道路は、工事終了後には利賀バイパスとして一般に使用される予定です。

まとめ

利賀ダムは、洪水調整や工業用水供給を目的とした重要なインフラであり、その建設は地域の安全と発展に寄与しています。まだ建設中ではありますが、将来的な影響や地域住民への恩恵が期待されています。北海道地方におけるダムの重要性が浮き彫りになる近年、このプロジェクトの行方も注目です。

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