制御装置

制御装置とは

制御装置とは、一般的に何らかのシステム全体、またはその一部を制御する装置を指します。その適用範囲は非常に広く、発電施設や輸送機器、さらにはコンピュータのプロセッサに至るまで、多岐にわたります。ここでは特に、コンピュータのプロセッサにおける制御装置に焦点を当てて解説します。

プロセッサにおける制御装置

プロセッサにおける制御装置（Control Unit）は、プロセッサの中核をなす要素の一つであり、演算[[装置]]やレジスタの動作、記憶装置へのデータの読み書き、入出力など、プロセッサ全体の動作を統括する役割を担います。この装置の出力によって、プロセッサ内の他の装置の活動が制御されます。

制御装置は、有限オートマトンとしてモデル化されることがあり、理論的にはシーケンス[[制御]]と類似の動作を行います。しかし、一般的には、プロセッサの制御を指す場合には「シーケンス[[制御]]」という用語は使用されません。

制御装置の歴史

初期のコンピュータでは、制御は「ランダム論理」によるワイヤードロジックで実現されていました。その後、マイクロプログラム方式が発明され、広く採用されるようになりました。例えば、System/360では、互換性のためのエミュレーションや、下位機種のハードウェアの単純化を目的として、マイクロプログラム方式が採用されました。

マイクロプロセッサの分野では、16[[ビット]]化以降（例：インテルの8086）でマイクロプログラムが使われるようになりました。一方、RISCはワイヤードロジックによる高速化を追求し、CISCもそれに対抗してワイヤードロジックを取り入れました。しかし、近年ではRISCにも複雑な命令を備えるものが登場してきています。

初期のコンピュータでは、プロセッサの構成要素は「制御装置と演算[[装置]]」のように分類されていましたが、プロセッサの高機能化・高性能化に伴い、「実行ユニット」という考え方が主流になりつつあります。

また、バスマスタリングのように、各サブシステムが専用のコントローラを持ち、そのコントローラが監督者として動作する仕組みも存在します。

制御装置の方式

制御装置は、プロセッサの各部分を制御するための電子的制御信号を生成します。制御の複雑さによって、制御装置の設計も異なります。

マイクロプログラム方式

マイクロプログラム方式では、コントロールストアに格納されたマイクロプログラムを用いて制御を行います。マイクロシーケンサがマイクロ命令を読み取り、実行します。マイクロ命令は、プロセッサ内の各部の制御に割り当てられており、例えばレジスタ、演算[[装置]]、命令レジスタ、バス、そしてチップ外部との入出力などを制御します。

ワイヤードロジック方式

ワイヤードロジック方式では、論理回路によって直接的に制御信号を生成します。現代の複雑なプロセッサをワイヤードロジックで実装することは、集積回路の大規模化や設計技術の向上によって可能になりました。

その他の制御装置

コンピュータのプロセッサ以外にも、様々な制御装置が存在します。例えば、輸送機器における速度や姿勢の制御装置があり、これには手動制御（運転手、操縦士による操作）と自動制御（ATO、自動運転車、オートパイロット）の両方が存在します。また、サーボ系による制御装置（サーボ機構）も、精密な制御を必要とする場面で広く利用されています。

関連項目

CPU設計
コンピュータ・アーキテクチャ
操縦
マスター・コントローラー
主[[制御器]]
アビオニクス
* 飛行管理装置

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