前川裕

前川裕

前川裕（まえかわ ゆたか、1951年4月28日 - ）は、日本の小説家、文学者であり、法政大学名誉教授。比較文学、アメリカ文学を専門としている。

経歴

東京都出身。一橋大学法学部法学科を卒業後、東京大学大学院人文科学研究科比較文学文化専門課程（比較文学専攻）修士課程を修了。その後、博士課程を中途退学。群馬大学教養部専任講師を経て、1982年より法政大学第一教養部専任講師に就任。1989年より第一教養部教授、2003年より国際文化学部教授となる。1994年には、スタンフォード大学アジア言語学部客員教授としてModern Japanese Literatureを担当した。

2003年、『怨恨殺人』が第7回日本ミステリー文学大賞新人賞の最終候補となる。2011年、心理サスペンス『クリーピー』（応募時のタイトルは「CREEPY」）で第15回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞し、2012年に同作で本格的に小説家デビューを果たした。同時受賞は川中大樹『茉莉花（サンパギータ）』。2022年に法政大学を定年退職し、名誉教授となる。

作品の特徴

前川裕の作品は、心理サスペンスを中心に、人間の深層心理や社会の闇を描き出すものが多い。緻密なプロットと、登場人物の心理描写に定評があり、読者を飽きさせない展開が魅力。ミステリー要素も強く、最後まで犯人がわからないスリリングな作品が多い。

著書

小説

クリーピーシリーズ
クリーピー（2012年2月 光文社 / 2014年3月 光文社文庫）
クリーピー スクリーチ（2016年4月 光文社文庫）
クリーピー クリミナルズ（2018年8月 光文社文庫）
クリーピー ラバーズ（2020年2月 光文社文庫）
クリーピー ゲイズ（2021年10月 光文社文庫）
逸脱刑事シリーズ
逸脱刑事（2024年3月 講談社文庫）
公務執行の罠 逸脱刑事（2025年2月 講談社文庫）
その他の作品
人生の不運（2005年2月 文芸社）
深く、濃い闇の中に沈んでいる（2016年8月 文芸社文庫）
アトロシティー（2013年2月 光文社 / 2015年7月 光文社文庫）
酷 ハーシュ（2014年2月 新潮社）
ハーシュ（2019年8月 新潮文庫）
アパリション（2014年5月 光文社 / 2016年10月 光文社文庫）
死屍累々の夜（2015年5月 光文社 / 2017年12月 光文社文庫）
イン・ザ・ダーク（2015年7月 新潮社）
魔物を抱く女―生活安全課刑事・法然隆三―（2020年6月 新潮文庫）
イアリー 見えない顔（2016年11月 KADOKAWA / 2018年6月 角川文庫）
真犯人の貌 川口事件調査報告書（2018年9月 光文社）
真犯人の貌（2024年1月 光文社文庫）
アウトゼア 未解決事件ファイルの迷宮（2019年6月 光文社文庫）
コウサツ 刑事課・桔梗里見の囮捜査（2019年8月 KADOKAWA）
白昼の絞殺魔 刑事課・桔梗里見の猟奇ファイル（2021年8月 角川文庫）
文豪芥川教授の殺人講座（2020年4月 実業之日本社文庫）
愛しのシャロン（2020年8月 新潮社）
号泣（2023年5月 新潮文庫）
ビザール学園（2021年12月 講談社）
感情麻痺学院（2024年6月 講談社文庫）
ギニー・ファウル（2022年6月 光文社）
完黙の女（2023年5月 新潮社）
嗤う被告人（2025年1月 新潮社）

英語関連

2回目からのトラベル英会話 もっと楽しく絶対にトラブらない（1991年 角川・エス・エス・コミュニケーションズ）
アメリカを自由に歩く旅の米会話（1994年 池田書店）
大学入試 英文読解を3週間でモノにする本（1996年 中経出版）
身近な表現力がUPする！ 英語変換力検定（2010年 池田書店）

翻訳

ドミニク・ラカプラ『歴史と批評』（1989年 平凡社）

アンソロジー

喧騒の夜想曲（2019年12月 光文社）「動機なし」
喧騒の夜想曲 白眉編 Vol.2（2022年6月 光文社文庫）

インタビュー・対談

シークレット 綾辻行人ミステリ対談集 in 京都（2020年9月 光文社） - 綾辻行人との対談

映像化作品

映画
クリーピー 偽りの隣人（2016年）
テレビドラマ
* イアリー 見えない顔（2018年）

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