前田万葉

前田万葉：カトリックの枢機卿と俳句の愛好者

前田万葉（まえだ まんよう）氏は、1949年3月3日に長崎県南松浦郡北魚目村（現在の新上五島町）に生まれた。彼は11人兄弟の長男として成長し、1950年代後半から1960年代初頭にかけて長崎南山中学校・高等学校で教育を受けた。1967年に高等学校を卒業した後、彼の宗教的な道への旅が始まる。

1975年には聖スルピス大神学院を卒業し、司祭に叙階された。初めは久賀島の教会で活動していたが、1979年頃に異動の命令が下される。その後、彼はカトリック中央協議会の事務局長も務め、重要な役割を果たしてきた。

彼のキャリアは2011年に大きな転換を迎え、教皇ベネディクト16世によって広島の司教として任命された。その後、2014年には教皇フランシスコによって大阪大司教に就任。この年の9月23日に着座し、大阪の地域コミュニティにおける彼の貢献が期待された。

2018年、前田氏は日本人としては約15年ぶりに枢機卿に任命される。これは、日本におけるカトリック教会の歴史にとって重要な出来事であり、彼の叙任式はローマのサン・ピエトロ大聖堂で行われた。名義教会である聖プデンツィアーナ教会におけるこの式典は、多くの人々に感動を与えた。

さらに彼は、2023年8月15日に教皇フランシスコの発表により、大阪大司教区と高松教区が統合され「大阪高松大司教区」となり、初代大司教に任命された。尚、着座式は実施されなかったが、彼のリーダーシップが多くの人々に期待されている。

また、前田氏はプロライフに関心を持ち、さまざまな活動を行っている。2018年5月には、東京で行われた「マーチ・フォー・ライフ」に対するメッセージを寄せ、生命を大切にする社会の構築を呼びかけた。また、慈恵病院が設立する「こうのとりのゆりかご」の理念に賛同し、関西での相談窓口の開設と連携施設の設置を支援するプロジェクトの顧問も務めている。

彼の文化的な側面も見逃せない。趣味は俳句であり、詩集も出版している。2017年には『烏賊墨の一筋垂れて冬の弥撒』、2020年には『前田万葉句集』を発表し、多くの人に親しまれている。これらの作品は、彼の感受性豊かな視点が反映されており、宗教的なテーマとともに人生の深い洞察が描かれている。

前田万葉氏は、カトリック教会の中での著名な指導者として、そして俳句という日本の文化を愛する一人の詩人として、現在も多方面で活躍し続けている。この多彩な活動が、彼自身の信仰や文化に対する深い関与を示している。彼の言葉や行動は、多くの信徒や人々に影響を与え、これからも多くの希望を与え続けるに違いない。

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