前田康介

前田 康介（まえだ こうすけ）は、1945年2月21日に愛媛県で生まれた元プロ野球選手です。本名は前田 康雄（まえだ やすお）ですが、選手時代の途中から登録名を「康介」に改め、現役引退後もこの名義を使用しました。左投げ左打ちの投手として、プロ球界で活躍しました。

アマチュア時代

地元の松山北高校に進学し、1年生時の1960年には既にエースとして秋季県大会決勝のマウンドに立ち、後のプロ野球選手となる松山商の山下律夫投手と対戦して注目を浴びました。3年生となった1962年夏の県予選では、準々決勝で村上公康捕手を擁する西条高校との延長10回に及ぶ激闘の末、惜しくも甲子園出場は叶いませんでした。

高校卒業後は東洋大学に進学。東都大学リーグでは、チームは二部に在籍していましたが、最終学年の1966年秋季リーグ終了後の入れ替え戦で一部リーグ昇格に貢献しました。大学の同期には、後に広島東洋カープで活躍する上垣内誠がいました。

大学卒業後は社会人野球の電電四国に入社。ここでも投手として力をつけ、1968年には高知相互銀行の補強選手として、翌1969年には電電四国の主戦投手として都市対抗野球大会に連続出場を果たしました。電電四国時代のチームメートには、後のドラフト会議で同期入団となる小金丸満がいました。

プロ野球選手時代

1969年のドラフト会議で、ロッテオリオンズ（現在の千葉ロッテマリーンズ）から1位指名を受けてプロ入りを果たします。電電四国時代のチームメートである小金丸満も2位で入団し、プロでもチームメートとなりました。左腕投手としてシュートやカーブを武器に、ルーキーイヤーの1970年には早くも日本シリーズのマウンドを経験するなど、首脳陣からの期待は大きいものでした。翌1971年にはプロ入り初勝利を挙げますが、選手としては主に中継ぎとしての起用が中心でした。

入団3年目の1972年には、登録名を本名の「前田康雄」から「前田康介」に変更します。しかし、この年は19試合に登板するも0勝5敗と大きく負け越し、防御率も5点台に低迷するなど不振に陥りました。翌1973年には一軍での登板がわずか1試合に終わり、同年オフにロッテから戦力外通告を受けます。その後、太平洋クラブライオンズ（後の埼玉西武ライオンズ）へ移籍しますが、ここでも一軍での登板機会は移籍1年目の4試合にとどまり、1976年限りで現役生活に終止符を打ちました。

現役引退後

現役引退後も、所属したライオンズ球団に残り、様々な役職を歴任してチームを支えました。1978年からはスコアラーとして、相手チームの分析を担当。その卓越した分析力は高く評価され、「名スコアラー」と称されるほどでした。選手の能力を最大限に引き出す的確な指示で、チームの勝利に貢献しました。

その後は打撃投手を務め、選手たちの打撃練習をサポート。グラウンドでの選手強化に直接関わりました。さらに経験を積んだ後は球団フロントへと転身し、要職を歴任。最終的には取締役球団本部長という重責を担い、長年にわたり球団経営の重要な一翼を担いました。経営者としての手腕も評価され、球団の発展に貢献しました。2011年シーズン終了をもって、ライオンズ球団を退団するまで、実に長きにわたりライオンズを支え続けました。引退後も、選手時代の登録名である「前田康介」を使用しました。

詳細情報

記録
初登板：1970年4月12日、対南海ホークス2回戦（東京スタジアム）
初先発登板：1970年10月10日、対東映フライヤーズ25回戦（後楽園球場）
初勝利：1971年9月15日、対近鉄バファローズ26回戦（東京スタジアム）

背番号
16 （1970年 - 1972年）
14 （1973年）
30 （1974年 - 1975年）
62 （1976年）
84 （1980年 - 1981年）
93 （1982年 - 1991年）
01 （1992年 - 1993年）

登録名
前田 康雄 （1970年 - 1971年）
前田 康介 （1972年 - 1976年）

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