前田康子

前田康子は、1966年7月30日に兵庫県伊丹市で生まれました。武庫川女子大学を卒業後、1987年に「塔」短歌会に入会し、歌人としての活動をスタートさせました。同じ時期に京都大学短歌会にも入会し、吉川宏志、梅内美華子、田中雅子、大山令彦らと共に活動しました。彼女の夫は「塔」短歌会主宰の吉川宏志であり、息子は映画監督の吉川鮎太です。

前田康子の歌は、日常の何気ない出来事や感情を繊細な言葉で表現し、読者の心を捉えます。その作風は、平易な言葉の中に深い情感を込め、静かで落ち着いた印象を与えるものが多いです。彼女の歌は、風景や心情を鮮やかに描き出し、読者に様々な情景を思い起こさせます。

2012年には、第四歌集『黄あやめの頃』で日本歌人クラブ近畿ブロック優良歌集賞を受賞しました。この歌集は、彼女の初期からの作風を受け継ぎながら、より深みを増した作品が収録されています。さらに、2018年には第五歌集『窓の匂い』で第5回佐藤佐太郎短歌賞を受賞し、その才能を広く認められました。2022年には、第六歌集『おかえり、いってらっしゃい』を発表しています。

前田康子は、歌集以外にもアンソロジーへの参加や現代短歌文庫への収録など、幅広く活躍しています。彼女の作品は、多くの読者に愛され、現代短歌の世界において重要な存在となっています。

主な著書

第一歌集『ねむそうな木』（1996年、ながらみ書房）
アンソロジー『現代短歌最前線　下巻』（2001年、北溟社）
第二歌集『キンノエノコロ』（2002年、砂子屋書房）
第三歌集『色水』（2006年、青磁社）
第四歌集『黄あやめの頃』（2011年、砂子屋書房）
第五歌集『窓の匂い』（2018年、青磁社）
* 現代短歌文庫『前田康子歌集』（2018年、砂子屋書房）

前田康子の作品は、短歌の持つ美しさや可能性を追求し、多くの人々に感動を与え続けています。彼女の歌は、読者自身の心と向き合うきっかけとなり、日常の中に新たな発見をもたらしてくれるでしょう。今後も、彼女の作品から目が離せません。

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