佐藤佐太郎短歌賞

佐藤佐太郎短歌賞は、歌人である佐藤佐太郎の業績を記念し、現代短歌社によって2014年に設立された賞です。この賞は、短歌作品の創作と評論の両分野で活躍する歌人を顕彰することを目的としています。選考対象となるのは、前年の9月1日から当年8月末日までに刊行された歌集と歌書です。受賞者には賞状に加え、副賞として30万円が授与されます。

選考委員は、創設当初は秋葉四郎、大島史洋、小島ゆかり、永田和宏の各氏が務めていましたが、2019年からは秋葉四郎、小島ゆかり、三枝浩樹、佐伯裕子の各氏が選考を担当しています。

過去の受賞者は以下の通りです。

第1回（2014年）: 松村正直歌集『午前３時を過ぎて』（六花書林）
第2回（2015年）: 内藤明歌集『虚空の橋』（短歌研究社）
第3回（2016年）: 大辻隆弘著『近代短歌の範型』（六花書林）
第4回（2017年）: 香川哲三著『佐藤佐太郎　純粋短歌の世界』（現代短歌社）
第5回（2018年）: 前田康子歌集『窓の匂い』（青磁社）
第6回（2019年）: 谷岡亜紀著『言葉の位相』（角川書店）
第7回（2020年）: 齋藤芳生歌集『花の渦』（現代短歌社）
第8回（2021年）: 横山未来子歌集『とく来りませ』（砂子屋書房）
第9回（2022年）: 今井恵子歌集『運ぶ眼、運ばれる眼』（現代短歌社）
第10回（2023年）: 永田淳歌集『光の鱗』（朔出版）
* 第11回（2024年）: 一ノ関忠人歌集『さねさし曇天』（砂子屋書房）

佐藤佐太郎短歌賞は、現代短歌の世界において、その年の優れた作品や評論を表彰する重要な賞として認識されています。この賞を通じて、多くの優れた歌人や評論家が世に送り出され、短歌文化の発展に貢献しています。また、受賞作品は、現代短歌の潮流を把握する上で重要な資料となっています。選考委員の交代はありながらも、常にその時代に合った最良の作品を選出し続けています。

この賞の創設者である佐藤佐太郎は、日本の短歌史に大きな足跡を残した歌人であり、その名を冠したこの賞は、彼の功績を未来に伝える役割も担っています。この賞は、短歌の創作と評論の両面を評価することで、より多角的な視点から短歌文化の発展を支えていると言えるでしょう。

現代短歌社が主催するこの賞は、単に作品を評価するだけでなく、短歌という文学形式の可能性を広げ、次世代の歌人を育成する上でも重要な役割を果たしています。

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