青磁社

青磁社は、2000年に歌人である永田淳氏によって設立された、歌集・歌書の出版を専門とする出版社です。同社は、現代短歌の世界において、独自の存在感を放っています。2006年から2010年まで、同社ホームページ上で「週刊時評」を連載し、短歌界の動向を積極的に発信しました。初期には大辻隆弘氏と吉川宏志氏、後期には松村由利子氏、川本千栄氏、広坂早苗氏が執筆を担当しました。

また、不定期に発行される「青磁社通信」は、同社の活動や出版物の情報を伝える貴重な媒体となっています。さらに、「シリーズ牧水賞の歌人たち」では、若山牧水賞を受賞した歌人たちの作品を出版し、その業績を広く紹介しています。

青磁社という名前は、過去にも二つの出版社で使用されていました。昭和初期には、堀辰雄氏の著作などを出版した青磁社〈第一次〉、昭和40年代頃には、詩集や歌集を出版した青磁社〈第二次〉が存在しました。これらの出版社と現在の青磁社〈第三次〉は、直接的な関係はありませんが、〈第三次〉青磁社は、過去の青磁社の理念を受け継ぎ、新たな「使命」を掲げて出版活動に取り組んでいます。

主要作品

青磁社は、数々の優れた作品を出版しており、その中には著名な賞を受賞したものも多くあります。

河野裕子『歌集　歩く』(2001年)：刊行第一作であり、第6回若山牧水賞、第12回紫式部文学賞を受賞。
青磁社編『いま、社会詠は』
『岡部桂一郎全歌集』：第59回読売文学賞を受賞。
永田和宏編『高安国世アンソロジー』（没後25周年記念）
『永田和宏作品集Ⅰ』：第40回現代短歌大賞を受賞。

受賞作品

青磁社から出版された作品は、短歌、俳句、装幀の分野で多くの賞を受賞しています。

短歌
岡部桂一郎『歌集　一点鐘』(2002年)：第37回迢空賞、第18回詩歌文学館賞を受賞。
河野裕子『歌集　母系』：第43回迢空賞、第20回斎藤茂吉短歌文学賞を受賞。
河野裕子『歌集　蝉声』：日本一行詩大賞を受賞。
永田和宏『歌集　夏・二〇一〇』：日本一行詩大賞を受賞。
伊藤一彦『歌集　待ち時間』：第5回小野市詩歌文学賞を受賞。
前田康子『歌集　窓の匂い』：第5回佐藤佐太郎短歌賞を受賞。
大口玲子『歌集　ザベリオ』：第12回小野市詩歌文学賞を受賞。
北辻一展『歌集　無限遠点』：第47回現代歌人集会賞、第66回現代歌人協会賞を受賞。
大辻隆弘『アララギの脊梁』：第8回日本[[歌人クラブ評論賞]]、第12回島木赤彦文学賞を受賞。

俳句
山口昭男『句集　木簡』：第69回読売文学賞を受賞。
岡田一実『句集　記憶における沼とその他の在処』：第11回小野市詩歌文学賞を受賞。
宇多喜代子『句集　森へ』：第61回毎日芸術賞、第18回俳句四季大賞を受賞。

その他（装幀）
川口真理『句集　双眸』：造本装幀コンクール審査員奨励賞を受賞。

青磁社は、現代短歌、俳句の世界において、質の高い作品を世に送り出し、その発展に大きく貢献しています。同社の出版活動は、多くの文学ファンから注目されています。

外部リンク

* 青磁社ホームページ

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