前田桜茄

前田 桜茄

前田 桜茄（まえだ はるか、1996年11月6日 - ）は、沖縄県宜野座村に生まれ育った元女子プロ野球選手です。主に外野手として、その小柄な体格を活かした俊敏なプレーでファンを魅了しました。

豊富なキャリア

幼少期、小学校3年生の時に軟式野球の世界に足を踏み入れ、その才能は宜野座中学校時代にも花開きました。高校は鹿児島県の神村学園高等学校に進学し、女子硬式野球部の一員として技術を磨き、全国の舞台で活躍しました。

自身の身長が150cmと小柄であることに不安を感じた時期もありましたが、当時の監督からの「プロ野球の常識を塗り替えてこい」という力強い激励に背中を押され、プロへの道を志すことを決意します。2014年8月、日本女子プロ野球リーグ（JWBL）の関西地区で行われた入団テストに挑戦し、見事に合格を掴み取りました。

プロ入り後は、2015年に育成球団である東北レイアの一員としてプロキャリアをスタートさせました。その後、経験を積み、2017年には京都フローラへ移籍。翌2018年には埼玉アストライア、そして2019年シーズン途中からは愛知ディオーネと、様々なチームでプレーし、リーグを代表する外野手の一人として存在感を示しました。

しかし、2019年11月1日、JWBLを退団することが発表され、新たな道へと進むこととなります。

2020年シーズンからは、兵庫県三田市を拠点に活動する兵庫ブルーサンダーズ女子硬式野球チームに加入し、活躍の場を移しました。ここで再びキャリア初期に背負った背番号「33」を選び、チームの中心選手としてプレーしました。

そして2021年には、同年に設立されたばかりの女子硬式クラブチーム、阪神タイガース Womenへの入団が決定しました。タイガースのユニフォームに袖を通し、チームの創設メンバーとして、またリードオフマンとしてチームを牽引しました。

長きにわたる現役生活の集大成として、2024年シーズンをもってユニフォームを脱ぐことを決断。2024年10月22日に、その年限りでの現役引退を正式に表明しました。

人物像

身長150cmという小柄な体格から、「小さな巨人」という愛称で多くのファンに親しまれました。メジャーリーグで活躍するホセ・アルトゥーベ選手のように、体格差を乗り越えて活躍するプレーヤーに強い憧れを抱いていました。

プロ入り後、特に東北レイアや埼玉アストライアでチームメイトだったみなみ選手とは、深い親交を結びました。対照的な173cmの長身であるみなみ選手とのコンビは、その身長差から「凸凹コンビ」としてメディアでも紹介され、チームのムードメーカーとしても貢献しました。

記録

プロ野球選手としての最初の記録は以下の通りです。

初出場: 2015年5月23日、埼玉アストライア戦に9番・右翼手としてスタメン出場。
初打席: 初出場と同日の試合、3回裏に相手投手である磯崎由加里からセカンドゴロ。
初安打: 2015年6月6日、兵庫ディオーネ戦の7回裏、村田詩歩からライト中間への二塁打を記録。

背番号

キャリアを通じて背番号は何度か変わりました。

33: 2015年 - 2016年（東北レイア）、2020年 - 2024年（兵庫ブルーサンダーズ、阪神タイガース Women）
23: 2017年（京都フローラ）
2: 2018年 - 2019年途中（埼玉アストライア）
* 3: 2019年途中 - 同年終了（愛知ディオーネ）

JWBLでの活躍から、リーグ退団後も社会人野球で長年トップレベルのプレーを続け、多くのファンに愛された前田桜茄選手。そのひたむきなプレーは、女子野球界に大きな足跡を残しました。

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