副島民雄

副島民雄は、1902年5月20日に佐賀県で生まれ、1975年7月10日に生涯を閉じた哲学者であり、歌人でもありました。妻の百合子は、太田秀穂の長女です。

東京帝国大学文学部哲学科を1927年に卒業後、1962年には「プラトンの後期における生成について」という論文で京都大学より文学博士号を授与されました。その後、熊本大学教授、九州大学文学部教授を歴任し、1967年に定年退官。その後も、お茶の水女子大学教授、日本ルーテル神学大学教授として教鞭を執りました。

専門は古代ギリシア哲学であり、特にプラトン哲学に関する研究で知られています。その研究は、著書『プラトン哲学序説』や『プラトン哲学研究 宇宙論を中心として』に結実しました。

また、副島民雄は歌人としても活動し、短歌結社『水甕』に所属していました。歌集『風吹く自然』や『スフィンクスの謎』などの作品を残しており、哲学の世界だけでなく、短歌の世界でもその才能を発揮しました。

翻訳家としても、アリストテレスやプラトンの著作を翻訳し、日本への紹介に貢献しました。『アリストテレス全集』やプラトンの対話篇の翻訳を通して、古代ギリシア哲学をより身近なものにしました。

主な著書としては、『プラトン哲学序説』（1955年）、『プラトン哲学研究 宇宙論を中心として』（1965年）、歌集『風吹く自然』（1969年）、『スフィンクスの謎』（1970年）があります。

主な翻訳としては、『アリストテレス全集 第9巻 心理学. 第2(各論)』（1948年）、『自然学小論集 気息について』（1968年）、プラトン『ソクラテスの弁明・クリトン・パイドン』（1972年）、『正しさについて・徳について・デモドコス・シシュポス』（1987年）、『色について・聞こえるものについて 植物について』（1988年）があります。

副島民雄は、哲学者、歌人、翻訳家として多岐にわたる活動を行い、日本の思想・文化に大きく貢献しました。彼の業績は、今日においても高く評価されています。

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