副田義也

副田 義也 (そえだ よしや)

副田 義也（そえだ よしや）は、1934年10月17日に東京で生まれ、2021年10月8日に逝去した、日本を代表する社会学者及び漫画評論家である。筑波大学の名誉教授として、そのキャリアの中で多くの学問的貢献を成し遂げた。

経歴

彼の父、副田正義は牧師であり、青山学院神学部を卒業していた。副田は東京都立新宿高等学校を1953年に卒業し、その後東京大学の文学部社会学科に進学、1957年に卒業を果たす。さらに、同大学院の社会科学研究科へ進み、1959年に修士課程を修了。その後、1995年には「生活保護制度の社会史」を題材に東京大学から社会学の博士号を取得した。

副田は、日本社会事業大学の嘱託・助手・講師・助教授として1959年から1966年にかけて活動した後、東京女子大学で助教授及び教授を務めた。1977年から1998年までは筑波大学の教授として教鞭を執り、1995年には副学長としてもその任務を果たした。そして、1998年から2010年にかけて金城学院大学の教授として勤務した。

人物

若い頃の副田は文学方面でも活動し、同人誌「クライテリオン」や「青銅文学」に参加した。1966年、彼の小説『闘牛』は第38回芥川賞の候補に挙げられ、同人雑誌賞を受賞するなど、その才能を証明している。特に漫画評論においては、彼の先駆的なアプローチにより、単なる雑文の範囲を超えた散文芸術としての可能性を広く示した。

1994年には『ドラえもん』の小学館コロコロ文庫版第6巻の解説も手がけ、この分野における彼の影響力を決定づけた。また、2004年には福祉社会学会を設立し、初代会長として2期4年にわたりその運営に尽力した。以後も政治社会学や教育社会学、死の社会学など、多岐にわたる分野で研究と執筆活動を精力的に行った。

副田はまた、多くの学生たちを指導し、田多英範、韓栄恵、鍾家新、藤村正之といった著名な研究者を育て上げた。

著書

彼の著作は多岐にわたるが、重要な作品として以下のものが挙げられる：

• - 『魅惑の少年マンガ』（川島書店、1968年）
• - 『コミュニティ・オーガニゼイション』（誠信書房、1968年）
• - 『現代マンガ論』（日本経済新聞社、1975年）
• - 『生活保護制度の社会史』（東京大学出版会、1995年）
• - 『福祉社会学宣言』（岩波書店、2008年）

彼の研究は、生活に根ざした社会学の理論を形成し、特に福祉や教育、文化に関する深い洞察を与えている。また、共著や編著も多数手がけ、学問の発展に寄与した。特に福祉社会学に関する書籍は、学術界において高く評価されている。

副田義也の業績は、社会学及び漫画文化の発展に大きな影響を与え、彼の名は今後も多くの研究者や愛好者の記憶に残り続けるだろう。

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