劉仲質

劉仲質（りゅう ちゅうしつ）は、生没年不詳の明代初期に活躍した官僚であり、儒学者です。字（あざな）は文質といい、本貫は袁州分宜県にありました。

生涯

劉仲質の性格は非常に重厚で誠実であり、経書や史書に広く通じ、その文章は典拠が確かであると評されていました。洪武帝の初期、宜春訓導として推薦を受けて南京に入朝し、翰林典籍に抜擢され、『春秋本末』の校正に携わりました。

1382年（洪武15年）には、礼部尚書に任じられ、儒臣たちと共に釈奠（せきてん）の礼を定め、これを天下の学校で施行させました。これにより、学校では毎年2月と8月に孔子に対する儀礼を行うことが通例となりました。ある時、洪武帝が国子監を訪れようとした際、先師を祀る釈菜の礼を行うことになりました。この時、側近の一人が「孔子は聖人といえども人臣に過ぎません。礼は一奠再拝とすべきです」と進言しました。しかし、洪武帝は「かつて後周の太祖郭威が孔子廟に赴いた際、側近たちは皇帝が孔子に頭を下げるのは良くないと言ったが、郭威は『孔子は百世の帝王の師である。どうして拝さないことがあろうか』と答えた。今、朕は天下を領有し、百神に敬礼しているのだから、先師にも礼を加えるべきだろう」と言い、劉仲質に詳しく議論するよう命じました。

劉仲質は、皇帝が参拝する際の冠服を皮弁執圭（ひべんしゅうけい）とし、皇帝が先師の位牌の前で再拝し、献爵を行い、また再拝し、退出して服を着替え、そのまま彝倫堂（いりんどう）を訪れて講義を行うことを提案し、典礼を荘重なものとするよう願い出ました。洪武帝はこれを許可し、劉仲質の進言を受け入れました。また、劉仲質は学規十二条を立て、欽定九条と合わせて、師生に分かち与えるよう願い出ました。さらに、劉向（りゅうきょう）の著した『説苑』・『新序』を学校で頒布し、生員に講読させるよう命を受けました。この年の冬、劉仲質は華蓋殿大学士に転じましたが、後に事件に連座して御史に降格されました。その後、老齢のため致仕し、官を辞して隠居しました。

参考文献

* 『明史』巻136 列伝第24

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