紅軍

中国工農紅軍の概要

中国工農紅軍（ちゅうごくこうのうこうぐん）は、1927年に中国共産党によって設立された軍隊であり、民衆の解放を目指して活動してきました。通称は紅軍（こうぐん）であり、現在の中国人民解放軍の前身でもあります。設立された8月1日は中華人民共和国において「建軍記念日」として記念されています。この日を祝うため、人民解放軍の軍旗には「八一」という文字がデザインされています。

紅軍の名称の変遷

紅軍はその成立から現在に至るまで、時期や地域によって様々な名称や組織形態を持っていました。これらの名称は、地域名や特定の状況に応じて用いられ、共通のイデオロギーで結びついていました。当時は、その活動地域や指導者に応じて異なる呼称が使用されていたため、多様な名称が存在しましたが、どの軍隊も根本的には「紅軍」としての連帯感を持っていました。

紅軍の組織構成

紅軍の組織は時間とともに変化し、いくつかの主要な軍団が形成されました。

• - 鉄軍：1927年の南昌蜂起の後、共産党により設立された軍隊であり、指揮官は朱徳でした。この軍は1928年までの間に活動しました。

• - 中国工農革命軍第四軍：鉄軍が毛沢東の指揮の下で井崗山に集結した後、1928年4月から1930年にかけて使用された名称です。

• - 中国工農紅軍第一方面軍：第四軍が再編成されて1930年から使用されました。

• - 紅軍第一方面軍：1934年、長征が始まった際に運用が開始されました。

• - 陝甘紅軍：延安を本拠地としていた北方紅軍であり、後に中央紅軍に体系的に統合されました。

• - 紅軍第二方面軍：四川省で活動していた共産党軍です。

• - 中央紅軍：1935年に紅軍第一方面軍、陝甘紅軍、紅軍第二方面軍の再編成によって設立されました。

• - 紅軍第四軍：第一方面軍および陝甘紅軍から部隊を抽出し、新疆地域への派遣が行われました。

• - 中国国民革命軍第八路軍：延安を中心に中央紅軍が紅軍第四軍を吸収して再編成された部隊であり、1937年から活動を開始しました。通称は八路軍と呼ばれます。

• - 国民革命軍新編第四軍：別名陸軍新編第四軍、通称新四軍と呼ばれる部隊で、江南地域を活動の拠点として1937年10月から活動を開始しました。

主要な指導者と政治委員

紅軍には多くの著名な指揮官や政治委員が存在しました。主な指揮官には、朱徳、陳毅、賀龍、彭徳懐、葉挺などがいました。また、政治面で重要な役割を果たしたのは、劉少奇、項英、周恩来といった人物です。

関連項目

紅軍の歴史や活動は中国人民解放軍の成り立ちに深く関わっており、毛沢東の指導下で形成された中華ソビエト共和国などと密接に関連しています。また、瑞金や井崗山、長征、延安といった地名も、紅軍の歴史において重要な役割を担っています。これらの歴史的出来事は、紅軍の活動と同時に中国の歴史や社会に大きな影響を与えました。

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