劉方

劉 方（りゅう ほう） - 軍人としての功績

劉方は、605年に死亡した中国の北周及び隋の著名な武将です。彼の本貫は京兆郡長安県（現・陝西省西安市長安区）で、特にベトナムへの遠征がその名を広めました。彼は軍事的才能だけでなく、部下への心配りでも知られています。

経歴

劉方は北周に仕官し、上士の地位を得ました。その後の戦功により上儀同に任命されると、580年に楊堅が北周の丞相になる際、韋孝寛の指揮のもとで尉遅迥を相州で討ち取り、功績を重ねました。この成功により、劉方は開府儀同三司という重要な役職に任命され、河陰県侯という爵位を与えられました。

581年、隋が建国されると、彼の爵位はさらなる昇進を遂げます。583年には、衛王楊爽の下で突厥軍に対する攻撃に参加し、大将軍に昇進しました。その後も甘州刺史や瓜州刺史等、要職を歴任しました。

交州遠征

劉方は602年に左僕射の楊素から交州の平定を担当するよう推薦され、道行軍総管に任命されました。彼は部下の敬徳亮を長史に任命し、27営を指揮して進軍しました。

厳格な軍令を敷いていた劉方は、禁を破った者を厳しく処罰しつつ、病人には自ら看病を行う姿勢を示しました。長史の敬徳亮が病に倒れた際、彼の安否を悲しみ、涙を流す一方で、部隊に感動を与えました。

進軍中、交州の兵力が隋軍に対して攻撃を行った際、劉方は部下を派遣して反撃し、敵の打破に成功しました。李仏子と対峙した時には、彼への外交も行い、これを降伏させ、長安に送還しました。

林邑遠征

劉方は、その後驩州道行軍総管として林邑の攻略を命じられ、李綱を司馬とし仲間を集めて出発しました。605年には海口に到達し、林邑王范梵志を攻撃し、勝利を収めました。彼は戦略的に多くの旗を掲げることで敵を威圧し、さらに植物や動物を利用した巧みな戦術で林邑軍を壊滅的に打ち破ります。

闍黎江を渡り、数々の戦闘を経てついには林邑の都に到着。王范梵志は逃亡し、隋軍は成功を収めました。この戦いで得られた成果は大きく、隋軍は捕虜を多数捕らえ、戦後の行動において名声を高めることとなります。

最期と遺産

しかし、帰還の途中、劉方は病に侵されてしまい、命を落としてしまいます。彼は上柱国、盧国公の位を追贈され、子の劉通仁が後を継ぎました。劉方の歴史に残る業績と人望は、今なお語り継がれています。

伝記資料

『隋書』巻53 列伝第18
『北史』巻73 列伝第61

彼の物語は、征服の背後にある戦略や選択肢、そして人の温かさを感じさせるものであり、多くの人々に感銘を与えています。

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