劉継元

劉継元（りゅう けいげん）は、五代十国時代の北漢の第4代にして最後の皇帝です。

生涯

劉継元の生母は、北漢の世祖・劉旻（りゅう びん）の娘でした。彼女は薛釗（せつ しょう）に嫁ぎ、少主・劉継恩（りゅう けいおん）を産みましたが、薛釗は劉旻の兄である劉知遠（りゅう ちえん）（後漢の高祖）に自害を命じられました。その後、生母は何氏（かし）（名は不明）に再嫁し、劉継元を産みました。父母が相次いで亡くなると、劉継元は睿宗・劉鈞（りゅう きん）の養子として迎えられました。

天会12年（968年）、睿宗が崩御し、同母異父兄である少主が帝位を継ぐと、劉継元は太原尹（たいげんいん）に任じられました。しかし同年、少主が酒宴の席で供奉官（ぐぶかん）の侯霸栄（こう はえい）に刺殺されるという事件が起こります。この混乱の中、司空（しくう）の郭無為（かく むい）によって、劉継元が皇帝に推戴されました。

即位後、劉継元は遼との緊張関係の改善に努めました。しかし、その性格は残忍であり、養母である郭皇后（かくこうごう）や世祖の子を殺害し、また反抗する臣下をその一族ごと処刑するなど、国内は大いに乱れました。

974年には広運（こううん）と改元し、翌年には遼によって大漢英武皇帝（だいたいえいぶてい）に冊封されています。

広運6年（979年）、華南全土を支配下に収めた宋が北征を開始し、宋の太宗が親征を行いました。遼は北漢へ援軍を送りましたが宋軍の前に敗退し、劉継元は宋に投降。ここに北漢は滅亡しました。

宋に臣属した後、劉継元は右衛上将軍（うえいじょうしょうぐん）に任じられ、彭城郡公（ほうじょうぐんこう）に封じられました。太平興国6年（981年）には彭城公（ほうじょうこう）に、雍熙3年（986年）には保康軍節度使（ほこうぐんせつどし）に任じられています。

淳化2年（992年）に病死すると、中書令（ちゅうしょれい）が追贈されると共に、彭城郡王（ほうじょうぐんおう）に追封されました。

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