功存

功存の生涯と業績

功存（こうぞん、1720年 - 1796年）は、江戸時代中期から後期にかけて活躍した浄土真宗本願寺派の学僧です。彼は越前国今立郡小坂村に生まれ、特に宗教界において多くの論争や討論に関与したことで知られています。彼の思想と行動は、宗派内での重要な変化をもたらし、浄土真宗の発展に寄与しました。

無帰命安心の糺明

功存は1760年に平乗寺の住職として就任しました。その後、越前浄願寺の竜養にて主張された無帰命安心という考えを異端とし、彼に対して説得を試みました。この過程での対話と論争は記録され、『願生帰命弁』として1764年に刊行されました。この書は、浄土真宗の教えにおける重要な文献となっており、功存の学問的な影響力を証明しています。

明和の法論

功存の名声は、明和の法論でも高まりました。彼は智洞らと並ぶ学林派の代表として、智暹との本尊論を巡る論争に臨みました。この法論で功存は勝利を収め、その結果、彼の名はさらに知られるようになりました。1769年には西本願寺の第6代能化に就任し、一層その影響力を増していきます。

三業惑乱

しかし功存の死後、彼が書いた『願生帰命弁』は第7代能化に就任した智洞によって三業帰命説の根拠とされることになりました。この事が引き金となり、宗派内での争い、いわゆる「三業惑乱」が発生しました。この混乱は、結果的に江戸幕府の寺社奉行による裁定によって、同書が異端と認定されるという皮肉な結果をもたらしました。

おわりに

功存の生涯は、浄土真宗の思想の発展に多大な影響を与えました。彼の議論と著作は宗門内での見解の変化を促し、後の世代にも影響を及ぼすことになります。功存の業績は、学問と宗教的討論がどのように宗派におけるアイデンティティに影響を与えるかを教えてくれる重要な事例です。

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