加倉井実

加倉井 実（かくらい みのる）の野球人生

加倉井実は1934年6月29日、茨城県水戸市に生まれました。プロ野球選手としての彼のキャリアは、特に1950年代において、読売ジャイアンツと近鉄バファローズという二つの球団でのプレーで知られています。ポジションは外野手で、多彩な才能を持つ選手として評価されていました。

高校時代

水戸商業高校に在籍中、彼は豊田泰光らと共に強力な打撃戦線を形成し、一塁手として活躍しました。1951年の秋季関東大会では決勝に進出したものの、竜ヶ崎一高に敗退。この苦い経験は、その後の成長に繋がるきっかけとなったかもしれません。次の年の春季関東大会では、湘南高との準決勝で延長戦の末に惜しくも負け、彼の能力が徐々に広く知られるようになりました。1947年の夏の甲子園には出場し、都留高のエースを打ち崩す活躍を見せましたが、成田高には敗れてしまいます。この大会で高畑正盛をリリーフし、甲子園初登板を果たしたことが記憶に残る瞬間でした。

プロ入りとジャイアンツでの活躍

1953年、加倉井は読売ジャイアンツに入団し、巨人の黄金時代に所属しました。しかし、初期の数年間は出番があまり得られず、1955年からついに一軍に定着します。特に、この年の日本シリーズでは、七番左翼手として先発し、打率.455を記録する活躍を見せ、チームの日本一に大きく貢献しました。1956年には、51試合に出場し、三番打者としても起用されて9本塁打、29打点を記録しましたが、その後、膝の負傷により出場機会が減ってしまいました。

近鉄バファローズへの移籍

1959年、加倉井は近鉄バファローズに移籍しました。ここでも彼は中堅手として45試合に先発出場しましたが、成績は振るわず、打率は.170に留まりました。1961年にはチームも退団し、その後水戸に戻り、下宿屋を営むことになりました。

野球選手としての評価

加倉井の実力は、同時期の豊田泰光と比較されることがありますが、周囲からは彼が持つ素質や才能は高く評価されています。特に打撃においては才能が輝いていたものの、巨人の外野陣の厚さや、夜盲症という障害が影響して、大きな成績を残すのは難しかったと言われています。

彼の人柄

加倉井は男性的な雰囲気を持ち、水戸っぽさが漂う存在でした。新丸子でタンパンを着た姿や、渋谷で特異な食事を好む姿にもその人間性が表れていました。ゲテモノ好きだった彼は、鶏のとさかの酢漬けを好んで食べていたと言われています。

結論

加倉井実のプロ野球選手としてのキャリアは、華やかさと影の部分が共存する、多様なものでした。彼のプレースタイルや人柄は、今なお多くの人々の記憶に残っています。

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