加古川市立志方東小学校

加古川市立志方東小学校は、兵庫県加古川市の志方町に学舎を構える市立小学校です。2021年5月1日現在のデータでは、全校児童数はわずか66名であり、これは加古川市内にある28校の小学校の中で最も少ない児童数となっています。

本校の歴史は明治時代初期に遡ります。その起源は1876年（明治9年）に細工所学校として開校したことに始まります。その後、教育制度の変遷に合わせて名称や組織を変更してきました。1909年（明治42年）には高等科が設置され、志方尋常高等小学校となります。第二次世界大戦後、学制改革を経て東志方村立東志方小学校として再出発しました。自治体の合併を経た後の1979年（昭和54年）に、現在の加古川市立志方東小学校という名称になりました。

より詳細な沿革を追うと、本校の設立に先行して、1873年には印南郡の高畑村、広尾村、大沢村にそれぞれ開心学校、中道学校、恒心学校が開設されています。1875年4月には細工所の安楽寺に文明学校が創立されました。これら四つの学校が1876年3月に合併し、細工所学校という名称になり、当初は安楽寺を仮校舎としていました。同年11月には細工所に新たな校舎が開設され、細工所小学校として正式にスタートしました。

その後、学校は学区再編などを経て、1885年には印南第2学区の倉北小学校細工所分校、1887年には学区改正により印南第7番学区となり、細工所尋常学校と細工所簡易小学校の二校体制となりました。簡易小学校が廃止されたのは1891年4月のことで、細工所尋常小学校に一本化されます。1892年8月には小学校令改正を受けて、東志方尋常小学校と改称しました。

施設の面では、1903年3月に校舎の改築が完成し、新しい建物に移転しました。1909年4月には前述の通り高等科が設けられ、東志方尋常高等小学校となります。さらに1914年4月には裁縫学校が併設されるなど、地域における教育機能が拡充されていきました。

太平洋戦争中の1941年4月には国民学校令により、東志方尋常高等小学校は東志方国民学校と改称され、尋常科は初等科、高等科はそのまま高等科と称されました。戦後の教育制度改革に伴い、1947年4月には学校教育法が施行され、東志方村立東志方小学校と改称。そして1954年8月、志方村、東志方村、西志方村の合併による志方町の新設に伴い、志方町立志方東小学校へと改称しました。

近代的な施設整備も進められ、1969年7月にはプール、1973年8月には体育館がそれぞれ新築されました。創立100周年は1976年11月に祝われています。

1979年2月には志方町が加古川市に編入されたことにより、現在の加古川市立志方東小学校となりました。市への合併後も学校施設の更新は続き、1980年6月には新校舎が完成し、1990年4月には本館・北館の新校舎が完成しました。運動場は1994年に拡張工事が行われ、学習教材園もこの時期に完成しています。1996年には創立120周年を迎えました。その後も、1997年のプール・体育館改修、2004年・2005年の運動場および周辺整備、2011年の体育館耐震改修など、施設の維持管理と改善が継続的に行われています。

学校が掲げる教育目標は「こころ豊かなたくましい子」の育成です。

本校の通学区域は、加古川市志方町内の広い範囲に及びます。具体的には、高畑（一部除く）、廣尾、岡、細工所、野尻、大澤、行常、畑、雑郷、東飯坂、東中、大宗の各地域が対象です。

本校を卒業した児童は、通学区域全域が加古川市立志方中学校の校区に含まれるため、同中学校へ進学することになります。

交通アクセスとしては、公共交通機関を利用する場合はJR宝殿駅から北条方面行きのバスに乗車し、「細工所」バス停で降りるのが便利です。自動車を利用する場合は、加古川バイパスの加古川西ランプから北条街道を北へ約7キロメートル、または山陽自動車道の加古川北インターチェンジから北条街道を南へ約1.5キロメートル進むと学校に到着します。

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