国民学校令

国民学校令の概要

国民学校令は、1941年3月1日に公布され、同年4月1日から施行された法律です。この令は、それまでの小学校令を大幅に改正し、初等[[教育]]と前期中等[[教育]]を統合し、国民学校という新たな教育機関の枠組みを定めました。法令は58条から構成され、その目的は「皇国の道に則って初等普通教育を施し、国民の基礎的錬成を行う」こととされています。

国民学校の制度

国民学校は3つの教育課程から成り立っていました。

1. 初等科
旧尋常小学校に相当し、6年間の修業年限でした。主要な教科は国民科（修身、国語、国史、地理）、理数科（算数、理科）、体錬科（体操、武道）、芸能科（音楽、習字、図画、工作、裁縫）で構成されていました。

2. 高等科
旧高等小学校にあたる部分で、修業年限は2年でした。国民科、理数科、体鍛科、芸能科に加え、実業科（農業、工業、商業、水産の中から1つを選ぶ）、そして外国語等の選択科目も設置できるようになりました。

3. 特修科
卒業者を対象に1年間の特修科が設けられ、さらなる学びを提供しました。

教科書と義務教育

国民学校の教科書は文部省が著作権を持つ国定[[教科書]]を使用することが義務付けられました。また、国民学校では8年間の義務教育が定められ、保護者は満6歳から14歳までの児童を就学させる義務を負いました。さらに、特定の理由（身体的または精神的障害、伝染病など）により就学が困難な場合、適切な免除措置が取られることがありました。

教員と学校設立

国民学校の教員には教頭や養護訓導などが必要とされ、その待遇は改善されました。また、地域の市町村は必要な数の国民学校を設置しなければならず、公立以外の国民学校は認められませんでした。

設備と教育環境

国民学校の校舎や校具などは教育目的のみに使用されることが原則であり、緊急事態の場合などの特別な条件下で他の目的で使用されることが認められました。教育環境は子どもたちにとって重要なものであり、様々な施設が整備されることが求められました。

経費と授業料

国民学校の運営費用は主に市町村や学校組合が負担することで成り立っており、財政的に厳しい場合には上位機関からの補助が必要とされました。授業料は一般的には徴収しないこととされ、特修科のみがこの限りではありませんでした。

廃止

国民学校令は1947年4月1日に施行された学校[[教育法]]により廃止され、新たな教育制度が整えられることとなりました。このような背景の中、国民学校令は日本の教育史において重要な意味を持つ法令として位置付けられています。

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