加古川飛行場

加古川飛行場の歴史と意義

加古川飛行場（かこがわひこうじょう）は、かつて兵庫県加古川市の尾上町に位置していた旧日本陸軍の飛行場です。この場所は、1937年（昭和12年）に開設され、当時の村の面積の約四分の一を占めていました。通称、尾上飛行場または三角飛行場とも呼ばれ、現地の地形や滑走路の配置に由来しています。特に、滑走路が三角形に交差している独特の形状が特徴的です。

飛行場の目的は、主に関西地区の防空及び若い飛行兵の訓練でした。日本陸軍に所属していた飛行第13戦隊や飛行第246戦隊、さらには第1教育隊がここを拠点にしていました。戦闘機の運用が行われ、特に九七式戦闘機が使用されていました。さらに、航空分廠も設置され、非常に大規模な基地として機能していました。

しかし、この飛行場の歴史は太平洋戦争の勃発と共に変わります。1944年（昭和19年）10月頃からは、各地の陸軍基地から特攻隊の出撃を支える拠点としても重要な役割を果たしました。加古川飛行場からは、第76、213、214振武隊の特攻隊が出撃し、激動の時代を生きた隊員たちの痕跡が残されています。

その後、1950年代半ばまで滑走路は維持され、藤田航空による小型機の遊覧飛行にも使用されました。また、自衛隊によるトラック運転の訓練所としても一時使用されるなど、その利用方法は多岐にわたりました。しかし、現在の跡地ではオーミケンシの工場や住宅地、商業地が立ち並んでおり、当時の面影はほとんど残っていません。

また、飛行場の近くには「中村屋」という旅館があり、当時の隊員たちの慰安施設として機能していました。ここでは、出撃前の隊員が残した遺書や手紙が保存されていた慰霊碑があったものの、旅館の取り壊しとともにその内容は近くの鶴林寺に移設されました。

飛行場のデータ

加古川飛行場の主なデータは以下の通りです。

• - 面積: 約1,170,000平方メートル
• - 滑走路:

- 舗装滑走路: 全長2,750フィート、幅325フィート
- 舗装滑走路: 全長1,850フィート、幅325フィート
- 舗装滑走路: 全長1,700フィート、幅325フィート
- 非舗装滑走路: 全長4,500フィート、幅1,650フィート
- 非舗装滑走路: 全長3,700フィート、幅1,650フィート

記念展示施設

現在、加古川市立尾上公民館では毎年8月に「加古川飛行場展」が開催され、当時の写真や航空資料、特攻隊員の遺書・手紙などが公開されています。本展は2021年度から常設展示が始まり、2022年10月22日からは内容の大幅な刷新が実施される予定です。入場は無料で、開館時間は午前9時から午後9時まで、日曜日と月曜日は午後5時までとなっています。

このように、加古川飛行場は歴史的な経緯があり、当時の人々の生活や思い出を今に伝える重要な場所として、後世に語り継がれています。

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